【銀魂】影は貴女のすぐ傍に【沖田総悟】

足音20 ページ21

「…ど、どーしてこうなったんでしょう」

「これが一番手っ取り早ェだろィ」

「そ、そういうもんなんですかね…」


次の日の仕事帰り。
今日も私は家までの帰り道を沖田さんに護衛してもらっていた。


…だけど、いつもと違うことが一つ。
私、絹笠 Aは何故か…人生初、沖田さん(イケメン)と手繋ぎデートしています。
どーしてこうなった。


「今日は出て来ねーな…昨日ので学習したのか、それともマジで居ねーのか」

「い、居ないんならやっても意味ないですし離しません!?」

「まだ居ねーって決まったわけじゃねーだろィ、続行」

「うぐぐ…」


昨日沖田さんが言ってた"絡み"とは、恋人のフリをすることだった。
つまり…その、イチャイチャして見せることでストーカーの嫉妬心を煽って誘き出そうって作戦らしい。
昨日助けてもらった時ちょっと抱きかかえられたのを見ただけで嫉妬して殺気を飛ばすような輩なら、絡みを増やせば嫉妬に駆られて姿を見せるだろう、と。


…いや、その作戦自体は良いんだけど…正直、この状況は物凄く恥ずかしい。
女らしさ皆無で彼氏いない歴＝年齢。

男友達すらもろくにできたことの私にとって、沖田さんみたいな顔面偏差値バリ高の人といきなり手繋ぎデートはハードルが高すぎる。


さっきから全く顔の赤みが引かないし、心臓もドキドキバクバクしっぱなしだ。
このまま心臓が壊れないか心配になってくる。


けど、こういう機会でも無きゃ私みたいな女っ気皆無な奴がこんなイケメンとデートするなんてまずあり得ないわけで。
ストーカー事件を解決させるためではあるけど、正直今の状況にちょっと浮かれてる自分が居た。


…まぁ私のために妙なことに付き合わせてしまっているのだから、申し訳なさは半端ないけど。

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