【銀魂】影は貴女のすぐ傍に【沖田総悟】

足音6つ ページ7

翌日。


キリの良いところで仕事を終え、仕事着から私服に着替えて帰り支度を整える。
定時から10分程経った頃、私は工房から外に出た。


いつも通り、何も変わらない日常。
だけど。


「よー、お疲れィ」

「あ、沖田さん!ホントに来てくれたんですね」

「ったりめーだろ、流石に手前(てめェ)でした約束は破んねーよ」


そんな日常の中でたった一つ、いつもと違うこと。
それは…。


「でもホントに良いんですか?私みたいな一市民が、沖田さんみたいなすっごい人に護衛して貰っちゃって」


私がストーカーに遭遇する仕事終わりのこの時間を、沖田さんが護衛してくれるようになったことだ。
昨日ファミレスで沖田さんが考えたのは、私が帰りの時間一人にならないように沖田さんが護衛をするというものだった。


曰く、
「警察がついてるとなりゃ、ストーカー野郎も追いかけるに追いかけらんねーだろィ。うっかり見つかりゃそのまま逮捕されちまうしな」
とのこと。


確かに警察である沖田さんがついていれば身の安全は保障されるし、見ず知らずの人に護衛されるよりもずっと気楽でいい。

だけど沖田さんは真選組の一番隊隊長なんて凄い地位に居る人だ。
そんな凄い人に護衛してもらえるのは正直気が引ける。


「昨日も言っただろーが。おめェと金剛のおっさん以上に腕利きの刀鍛冶なんざこの江戸に居ねーんだ、おめェに何かあったら真選組(うち)が困んだよ」

「そう言われると悪い気はしませんけど、そんなに腕良いんですかね私」

「腕良くなきゃ俺の命預ける刀作らせたり手入れさせたりなんざしねェ」

「くッ…!!沖田さん私のこと喜ばせる達人ですかコノヤロー!!」

「わかったら大人しく護衛されてろィ」


そんな私の罪悪感は見事、沖田さんの口先一つで見事に丸め込まれ封殺されてしまう。


とりあえず今のところはいつもの視線を感じないけど、この状況って多分解決するまで続くんだよね。
そう考えると申し訳なさ半端ないから、早いとこ犯人捕まってくれないかなぁ…。

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