羽を広げる理由 ページ18
〜No Side〜
真選組一番隊副隊長、A。
万事屋を訪ねた日以降、彼女は屯所から一切外に出ることのない日々を送っていた。
例の事件以降外に出れば必ずストーカーが出没するようになったため、兄と慕う近藤勲と相談して市中見回りの任から外してもらったのだ。
自らの両親の仇である男、荻野泰平他5名。
奴らを探しに行きたいのはやまやまだが、今の状況ではそれどころか自らの身すら危ぶまれる。
ほとぼりが冷めるまでは、と代わりに調査することを申し出てくれた沖田に甘えざるを得ないのが現状だ。
「退屈…」
市中見回りの代わりにと請け負った書類仕事は全て終わってしまったため、何もやることがない。
テレビを付けてみても、特に面白い番組はやっていなかった。
普段なら暇さえあればイチャついている彼氏でもある沖田は市中見回り(という名の調査)で不在。
文字通り羽を伸ばしに行きたくても、下手に外出するわけにもいかず。
このような状況であるため、Aは暇を持て余していた。
そんな時。
「A副隊長、手紙届いてましたよ」
「…どーも」
名前すら思い出せない隊士の一人が、Aの元へと一通の手紙を運んできた。
隊士から受け取った手紙の封筒にはただ一言、”真選組一番隊副隊長 A様宛”とだけ書かれていて差出人はわからない。
何か怪しい物でも入っているのか、なんて勘繰ったりもしたのだが、ペラッペラの封筒ではそれも難しいだろう。
開けたところで何も無いだろう、そう考えてAは手紙の封を切った。
「えーっと、何々……ッ!?」
手紙を読み終えると同時に、Aは屯所から飛び出した。
ストーカーだ何だとは言っていられない。
自らの身よりも大切な存在。
愛する彼のため、上着を脱ぎ棄てAは飛んだ。
“沖田総悟は預かった。
返して欲しくば一人で〇〇〇まで来い
日暮れまでに来なかった場合、
もしくは誰かを連れ立ってきた場合
沖田総悟の命は無い
黎明党 荻野泰平”
〜No Side END〜
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影咲 遥(プロフ) - めいさん» 無理せず頑張った結果1日空いてしまいました(寝落ち)仕事でなかなか更新できない時もありますが、必ず完結しますのでこれからも読んでやってくださいませ! (2019年5月24日 0時) (レス) id: d73cf733f9 (このIDを非表示/違反報告)
めい - めっちゃハラハラします!!無理せず更新頑張ってください!! (2019年5月21日 20時) (レス) id: 74d4a343bf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:影咲 遥 | 作成日時:2019年4月25日 20時