【銀魂】片翼の天使【沖田総悟】

いらねー誤解を招くから言葉は正しく使え ページ19

バシャン、という物音と共に全身に冷てェ何かを浴びて、俺の意識は暗闇から呼び戻された。


「ッ!?冷て…何でィこりゃ…」


気付けば俺は全身ずぶ濡れで、胡坐かいた状態で両手足縛られて細い柱に括り付けられていた。

相当硬く縛られてんのか、どうにか手を動かそうとしてみるもギチギチ縄が鳴るだけで一向に外れる気配がなく、ただ手首が痛むだけで終わる。
いったい何がどうなってんだ。


「おはようございます、沖田隊長。随分長い昼寝でしたね、もうすぐ日暮れッスよ」

「……!桐谷…おい、てめェこりゃどーいうことだ」


俺の前に立ってたのは、片手にバケツ持ったまま胡散臭ェ笑み貼り付けた桐谷だった。
俺が全身ずぶ濡れなのはこいつがそのバケツで水でもぶっかけたからだろう。
どっかの廃墟なのか、あちこちから入ってくる隙間風の所為で体が冷えてブルリと震えた。


「おおよそ察しは付いてるッしょ?俺が黎明党から真選組に潜り込んだスパイだってことも、俺が隊長の団子に睡眠薬盛って拉致したことも」

「…粛清の後に言ってた”強くなって役に立って見せる"っつーのも嘘だったってわけかィ」

「嘘じゃねーッスよ?立派に役に立ってるじゃないッスか。…黎明党の役に、ですけどね」

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