【銀魂】俺の隣のゆる医者さん【沖田総悟】

＊ ページ39

「すいやせんでした」

「…………」

「いや、マジで反省してっから。せめてこっち向いてくだせェ」

「…………」

「なァ、機嫌直せって…」

「…………」


さっきの妙な音は俺がAを車ん中に突っ込んだ時、割れると困るからと分けて袋詰めしてた卵にAが頭を突っ込んだ音だったらしい。
車が揺れた時に落ちて割れたりしねーようにってAが手に持ってたのが仇になった。


おかげでAは顔面から卵のパックにダイブすることになり、卵は割れてぐちゃぐちゃ。
Aは頭からベチャベチャの卵まみれなんて惨状の出来上がりだ。
さっきから謝り倒してるが、Aはプイとそっぽを向いたまま目も合わせてくれねェ。


「ぶははははは!!ク、クソサドが…!!女に、頭下げてるアル…!!」

「あーあー、やっちまったなァ総一郎くん。そりゃ顔面卵まみれにされたらどんな女でも怒るに決まってるよなァ?ぶくく…!」

「ちょ、ちょっと銀さん!神楽ちゃんも、そんなに笑ったら悪いですよ…!!」


Aに謝ること自体は別にいい。
だが万事屋3人衆の前でAに頭下げてる所為で、背後から不愉快極まりねェ笑い声が聞こえてくる。
それが屈辱的で仕方ねェ。

止めにかかってるメガネはともかく、後ろで大爆笑してる旦那とクソチャイナは後で絞めようそうしよう。


「なァ…どーしたら機嫌直すんでィ」

「…………」


さっきからただの一言も口を利いてくれねェA。
こいつが俺に怒ること自体珍しいし、怒らせたとしても普段は謝れば許してもらえたからこれ以上どうすりゃ良いのか皆目見当もつかねェ。


「こりゃ沖田くんが調教してるっつーより、沖田くんがその子の尻に敷かれてるっつー方が正しいかもなァ。いやー、珍しいモン見たわ」

「旦那、笑いごとじゃありやせんよ…元はと言えばアンタらがちょっかいかけて来た所為なんですぜ?どーしてくれるんですかィ」

「いやいや、俺達なーんにもしてないよー?沖田くんが勝手にその子の頭卵に突っ込んだんじゃん。銀さんはなーんも知りませーん」

「ざまーみろヨ、そのまま嫌われてしまえばいいネ!!」


畜生、こいつら黙って聞いてりゃ好き勝手言いやがって。
だが今はこんな馬鹿共に構ってる暇はねェ。
どうにかAの機嫌を回復させねーと。

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