75章 ページ28
「あ、そーいやもう一個お前に言わなきゃなんねーことあったんだった」
「ん?何よ」
「俺、お前のこと好きだから」
「……………は?」
え。
ちょっと待って、いきなり何言い出すのこいつ。
私のことを好き?
は?何それ、わけわかんない。
有り得ないでしょ。
ていうか何でいきなり告白?
全くそういう雰囲気じゃなかったよね?
頭の中がグルグルと渦を巻いて、思考が全く纏まらない。
「だから、お前のことが好きだから付き合えっつってんでィ。言っとくが、拒否権なんざねーからな。お前飼い犬、俺飼い主。命令は絶対、おーけー?」
「お、おーけー……ってんなわけあるかァアアア!!!」
あまりの衝撃に頭から狼の耳が飛び出した。
私のマスターは馬鹿か?馬鹿なのか?
いや馬鹿に違いない。
いったい何考えてんだこいつ、唐突過ぎるにも程がある。
「病院は叫ぶ場所じゃねーぜ。ったく…飼い犬から彼女に格上げしてやろうっつーのに、いったいどこが不満なんでィ」
「何もかもが不満だわ!!…だ、だってさ…いきなり、その…す、好きとか言われたって…な、何て言うか…し、信じられるわけ、ないし…わけ、わかんないし……」
顔にどんどん熱が集まって、それに反比例して口から出る言葉は小さくなっていく。
最後の方に至っては、マスターに聞こえているかどうかすらもわからない。
「…ま、それもそうか。なら鈍いお前にもわかるようにはっきり伝えてやらァ」
「え……」
次の瞬間、上半身だけベッドから起こしていた私の体は何故かマスターの腕の中で抱きすくめられていた。
体に障らないようにするためか、背に回された腕の力はとても優しいもので。
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影咲 遥(プロフ) - 天藍さん» 天藍様、コメントを頂きありがとうございます!あわわわ、この短期間で2周もしてくださったんですか!?ありがとうございますとても嬉しいです。お気に召して頂けたようで何よりです、是非他の作品も読んでやってくださいませ! (2018年4月18日 18時) (レス) id: d73cf733f9 (このIDを非表示/違反報告)
天藍(プロフ) - 完結おめでとうございます!これ、すっっっっっっごく好きです!昨日見つけてからもう2周しました!この小説に出てくるキャラも、作者さんも、大好きです! (2018年4月18日 18時) (レス) id: 1e59b8b255 (このIDを非表示/違反報告)
影咲 遥(プロフ) - 夜空さん» 夜空様、神作だなんて恐れ多いですが、そんな風に思って頂けてとても嬉しいです!まさかお兄ちゃんのことも好きになってくださるとは、何と心の広い…きっとどこかで彼も幸せになることでしょう。そんなお話も書けたら良いなぁ…。コメントありがとうございました! (2018年4月16日 0時) (レス) id: d73cf733f9 (このIDを非表示/違反報告)
夜空 - 完結、おめでとうございます!!何という神作…。夢主ちゃんのお兄ちゃんも私的には結構好きだな。この作品では敵キャラですけど、彼にも色々あったんでしょうね…。彼も含めて皆、幸せになってくれることを願います。素晴らしい作品をありがとうございました! (2018年4月16日 0時) (レス) id: dc393f385a (このIDを非表示/違反報告)
影咲 遥(プロフ) - 夜空 星月さん» 星月様、顔面崩壊させてしまい申し訳ありません(笑)物語として語られない部分で、きっと沖田君が夢主ちゃんを幸せにしてくれる筈です!…ドSながらに。こういったコメントを頂けると、このお話を書いて本当に良かったなと思えます。コメントありがとうございました! (2018年4月15日 16時) (レス) id: 6088c20e27 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:影咲 遥 | 作成日時:2018年3月30日 12時