最強の暗殺者は飴村乱数に拾われる

馬鹿にしないで！ ページ14

いばらside


｢｢｢ペット？｣｣｣

｢無花果の次は飴村乱数ねぇ……相変わらず犬か｣

冷静になって…だいじょーぶ……冷静に……

｢飴村乱数もお前を手元に置くなんて…悪趣味だな(笑)｣

ダメダメ…煽りに乗るな

｢そんなんだからーーーーーーーーーなんだよ｣

！？

だからダメだって！
止まって！

そんな自分の意思とは裏腹に僕の体は勝手に動く

『乱数を馬鹿にしないで！』

｢はっ！｣

『殺してやる……次は確実に！』

｢おうおう、やってみろよ｣

『死んじゃえ！』

僕は新しいナイフをみことの首に押し当てる

｢何してるんだ！｣

｢おい！｣

｢やめてください！｣

制しの声なんて今の僕には聞こえない

｢さっさと殺れよ、殺すんだろ？｣

『ﾌｰ……ﾌｰ………』

落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け！

｢早く殺れよ…俺を殺すんだろ？そのナイフを引けば簡単に殺せるのに、なんで引かない｣

みことは僕の腕を掴んでより一層強く自身の首にナイフを押し付けた

｢ほら、やれよ｣

ナイフを持ってる手が震える

｢みこと辞めろ！煽るな！｣

｢みこ姉！｣

｢みこと！｣

うるさいうるさいうるさいうるさいうるさい！

ｶﾞﾊﾞｯ

誰かが僕とみことを引き離す

あぁ…さっきの高身長野郎だ…

｢やっぱり…今も昔もお前は俺を殺せないんだな｣

黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ

『噛み切ってやる………』

｢出来るもんならな！｣

ダメだ…手は縛られてる動かない

ナイフはみことの横

僕を掴んでるこの手さえどうにか出来れば

ｶﾞﾘｯ

｢いってぇ！？｣

ﾊﾞﾁｯ

『っ…！？』

殴られた！？

｢だいじょーぶか？二郎｣

｢あ、あぁ｣

｢いばら…お前他の人間に手出してんじゃねぇよ｣

『うるさい、僕に指図しないで』

だいじょーぶ…戸籍が無いんだから警察に言っても意味無い

｢警察…｣

｢意味ねぇよ、コイツ、戸籍が無いんだから｣

｢まじかよ｣

なんで殺せないんだ…？

殺したいのに……手が震えちゃう

やばい…目…あつ…

『うっ…ﾋｯｸ………ﾌｪ……ｸﾞｽｯ』

｢自分の都合のいい様に進まないと直ぐに泣く｣

『ぅるさい』

｢そんなだから捨てられるんだよ…飴村乱数にも捨てられるかもな｣

違うもん…乱数はそんな人じゃないもん

｢所詮は甘ったれたクソ猫だな｣

うるさい

｢乱数…呼んだからな｣

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