アネモネ【２】

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ーー北山sideーー






今日は俺１人で収録の日。





朝からスタッフが慌ただしい。









「北山さんすみません
今日、北山さんにつける人誰もいなくて」



「え？なんで？」



「ななみさん今日から沖縄で
安藤さんは高熱で今日来られなくて」









…こんなことってあるんだ。








今まで仕事をしてきた中で
当たり前にマネージャーがいてスタイリストがいて。









だからこんなことが起きるのは、滅多にない。









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それにしても
あのAが高熱なんてありえねえ。









どうせ藤ヶ谷と飲みすぎて2日酔いだろ。









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いや、てか待てよ。





もし２人で飲んでたら
あいついつもみたいにデロンデロンだったんじゃ？









まさか藤ヶ谷
Aに手出したりしてねーよな？









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って藤ヶ谷さんがそんなことするはずないか。






そもそも俺にも関係ないし。







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その日は朝から夜までほんと慌ただしくて
マネージャーにはいつも助けられてんなーって。









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１人で楽屋にいると藤ヶ谷から電話が。









「もしもし北山？」



「おう、どした？」



「安藤ちゃんかなりの高熱らしいの
北山さ、家に見に行ってあげてよ」



「は？なんで俺？」



「玉に頼まれたんだけどさ
俺も今日から地方だから、お願い」



「えー…「本当にお願い！40℃近いんだって」



「はっ！？」



「マジで俺も玉も心配だから、お願いします」



「わかったよ」







今時40℃の熱なんて聞いたことねーよ。





しかもこの時期に？









あいつ生きてんのかよ。








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