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師であり親である.2 ページ21
腐爛した死骸が積み重ねて捨ててある。
激しい天日に照りつけられたせいか、変色した皮膚のところどころが、べっとりと紫がかった肉を出して、その上にはまた青蝿が、何匹となく止まっている。
こんな場所に小さな娘が1人で佇んでいるのだ。
松陽は足を止めそんな娘に声をかけた。
松陽「何故こんな所に？」
『強くなるため....』
この娘も難ありなのだろう。
娘の瞳を見れば真っ赤な目。
松陽が顔を覗き込むと娘は自分の目を隠した。
しかし松陽はそんなのを気にせず話しかける。
松陽「吉田松陽です。お名前は？」
『....A。苗字はない....』
俯くAの頭を松陽は撫でた。
松陽「一緒に行きますか？」
『....良いの？』
松陽「ええ、構いません。大切な人を護るために生きなさい」
自分と同じ髪色の娘。
Aは伸ばされた松陽の手を握った。
松陽「今日から貴女は吉田Aです」
『よし....だ....ありがとう』
初めて人の温もりを知ったのは貴方のおかげだった。
そして初めて守るべき物が出来たんだ。
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作者名：たらんちゅらん
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=f429723d20d469671ae73cdd3305960c...
作成日時：2020年8月12日 22時
