追憶の散歩 ページ44
Aside
五条「A、面白い話してあげよっか」
彼は唐突に言った。
『何かあるの?』
五条「アリスが七海に告白して玉砕した話なんだけど」
『言い方…っていうか本当クズ』
なんて言いつつ、そんな彼も嫌いになれはしないのだけれど。
『そもそもどこ情報なの?』
五条「僕がこの目で見た情報」
七海が知ったら怒りそうだし、有栖院に関しては殺しに来てもおかしくない。
絶対この情報を広めないようにしようと頭を抱えていた私の手を引いたのは悟。
『悟?』
五条「今日暇でしょ?外行こうよ」
そう言って私の前を歩く彼の背中が、昔と重なる。
『何処行くの?』
五条「1番最初のデートコース」
彼の言葉に首を傾げ、デートなんてしたことないのにと考えていた私は、目的の場所についてから、そういうことかと悟の言葉に納得した。
『今歩いてる道って…昔悟が初めて私を連れ出してくれた時に歩いた道だよね?』
五条「そっ!良かった〜覚えててくれて。忘れてたら無理矢理にでも思い出させるところだったよ」
彼の言う無理矢理が気にならないわけではなかったが、聞いてしまえば後悔しそうだったのでやめた。
『悟こそよく覚えてたね。すぐ忘れそうなのに』
五条「忘れるわけないだろ。僕にとってもあの日は特別だったんだから。…だってこの僕が初めて他人の要望を聞いたんだよ?凄くない?」
『それは凄いね』
五条「聞いたのは僕だけど普通即答する?せめてもう少し考えてからそう言って欲しかったんだけど」
今の悟であれば即答はしなかった。
けど昔の彼は歯に衣着せない発言しかしなかったし、他人の願いなんて聞くわけないと思わせるところがあったから。
『…当たり前が当たり前であることって幸せだよね』
悟に手を引かれて歩きながら呟く。
五条「そうだね」
私のことを知らない人からすれば何を言ってるんだと思われるような発言でも、私のことを幼い頃から知っている悟は微笑んで同意した。
やはり目隠しをしているか、サングラスをしているかで彼の印象は大きく変わる…なんてことを考えていれば悟はどうしたの?と首を傾げた。
その仕草まで様になっているものだから狡い。
2005人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「呪術廻戦」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
よっちゃん - すきすぎたやばいですね。。。。。。別の作品も頑張ってください (2021年2月6日 3時) (レス) id: 7291101692 (このIDを非表示/違反報告)
刹葉(プロフ) - レネットさん» コメントありがとうございます!アリスのことを好きになっていただけて作者は嬉しいです…レネットさんの心を満たせるような小説を書けていたなら心から良かったと思います(^^)こちらこそ読んでいただきありがとうございました! (2021年1月6日 11時) (レス) id: 1a2812ca8a (このIDを非表示/違反報告)
レネット(プロフ) - 最初読んだとき、アリスちゃん嫌な奴だな…と思ってたけど最後まで読んだらアリスちゃんを好きになっしまった…。そして七海のハンカチを差し出すという紳士的な振る舞いがカッコよすぎて心が満たされました。面白かったです。ありがとうございます。 (2020年12月31日 23時) (レス) id: ec8ec8961f (このIDを非表示/違反報告)
刹葉(プロフ) - ccndayoさん» コメントありがとうございます…!とても嬉しいです。ccndayoさんの好みに合う小説を書けていたなら、良かったです(^^)こちらこそ読んでいただきありがとうございました! (2020年12月28日 12時) (レス) id: 1a2812ca8a (このIDを非表示/違反報告)
ccndayo(プロフ) - 読ませて頂きました。もうホントに素敵すぎて途中途中感情移入しちゃって涙が出ました。小説も夢小説もたくさん読んできましたが私のどタイプな内容でした…。素敵な作品をありがとうございます (2020年12月27日 22時) (レス) id: 625a5cfc03 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:刹葉 | 作者ホームページ:http://mobile.twitter.com/fall_0613
作成日時:2020年12月1日 16時