緋色の契り ページ45
五条「見惚れてた?」
『見惚れてたっていうよりは、性格以外は本当に完璧だなって思ってた』
五条「それは褒められてると取ればいい?それとも貶されてると思うべき?」
『どっちもかな』
Aの意地悪〜と言って口を尖らせる悟の手を引いて、私は近くの公園に入り、常設されているベンチに座った。
初めて悟が連れ出してくれた時、最後に立ち寄ったのがこの公園だった。
『…大きくなっても悟君が私と仲良くしてくれてたら、ここでまた色んなこと話そうね』
幼い頃、私が一方的に告げた言葉を一言一句違えずに言う。
隣にいた悟は一瞬目を丸くして、それから微笑み言った。
五条「仕方ないから暇つぶし程度には話してやるよ…だっけ?」
『そう。この約束覚えてるのずっと私だけだと思ってた』
五条「…逆に僕はもうAは覚えてないだろうなって思ってたよ」
いつものように空を見上げるけれど、今日はあまり雲がない。
こんな天気のことを晴天と言うのだろう。
五条「Aといるとやっぱり楽だ。辛いことも今だけは忘れられる。…昔からずっと変わらない」
悟の頭がぽすんと私の肩に乗る。
『好き。ずっと好き』
五条「僕もだよ。…前にAの話してくれた夢物語あるでしょ?」
『緋月と五条の?』
五条「そう」
悟は目を伏せたまま続ける。
五条「案外…本当に僕ら生まれ変わりだったりしてね」
緋月の祖先は呪霊に襲われていたところを五条に助けられて恋をした。
『確かに私、貴方に沢山助けられたね。それに悟を好きになって恋もしてる』
もし本当に私と悟が彼女らの生まれ変わりだったとしたら。
『この髪色も瞳の色も好きじゃなかったけど。…悟に見つけてもらう為だったって思ったら好きになれる』
五条「…単純」
悟は笑って。
五条「でも実際、君のその色に惹かれたんだ。綺麗な緋色に」
『……もう何回も言ってるけど』
五条「ん?」
『私を自由にしてくれて、ずっと好きでいてくれてありがとう、悟』
五条「…Aも、僕を選んでくれてありがとう」
長い時を掛けた契りは漸く果たされた。
緋色の契りFin.
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よっちゃん - すきすぎたやばいですね。。。。。。別の作品も頑張ってください (2021年2月6日 3時) (レス) id: 7291101692 (このIDを非表示/違反報告)
刹葉(プロフ) - レネットさん» コメントありがとうございます!アリスのことを好きになっていただけて作者は嬉しいです…レネットさんの心を満たせるような小説を書けていたなら心から良かったと思います(^^)こちらこそ読んでいただきありがとうございました! (2021年1月6日 11時) (レス) id: 1a2812ca8a (このIDを非表示/違反報告)
レネット(プロフ) - 最初読んだとき、アリスちゃん嫌な奴だな…と思ってたけど最後まで読んだらアリスちゃんを好きになっしまった…。そして七海のハンカチを差し出すという紳士的な振る舞いがカッコよすぎて心が満たされました。面白かったです。ありがとうございます。 (2020年12月31日 23時) (レス) id: ec8ec8961f (このIDを非表示/違反報告)
刹葉(プロフ) - ccndayoさん» コメントありがとうございます…!とても嬉しいです。ccndayoさんの好みに合う小説を書けていたなら、良かったです(^^)こちらこそ読んでいただきありがとうございました! (2020年12月28日 12時) (レス) id: 1a2812ca8a (このIDを非表示/違反報告)
ccndayo(プロフ) - 読ませて頂きました。もうホントに素敵すぎて途中途中感情移入しちゃって涙が出ました。小説も夢小説もたくさん読んできましたが私のどタイプな内容でした…。素敵な作品をありがとうございます (2020年12月27日 22時) (レス) id: 625a5cfc03 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:刹葉 | 作者ホームページ:http://mobile.twitter.com/fall_0613
作成日時:2020年12月1日 16時