七十四 ページ29
『私が恵と婚約したのは、私の母親と恵の父親が決めたことだっていうのは恵も知ってるでしょ?』
伏黒「知ってる」
『理由としては多分、見ず知らずの男と結婚させるくらいなら知り合いの息子である恵と…って感じだと思う。あとは恵を禪院に売らない為』
蒼社は五条家に対しては気持ち悪い程心酔していたが、他の御三家に対してはその逆で、恵の話をした時も快く引き受けてくれた。
『でももう蒼社の家はないし、恵も自由。それに婚約がなくなったとしても恵との関係が変わるわけじゃない』
恵は真っ直ぐ私を見ていて。
『ごめん、ちょっとは変わるかも』
伏黒「え」
『だって婚約者でもないのにハグとかはできないでしょ?恵に彼女ができたら勘違いされるし』
それは少し寂しいけど仕方のないこと。
伏黒「…それはまぁ…確かに」
五条「話終わった〜?」
伏黒「………」
悟を冷たい目で見る恵と、悠仁や野薔薇が室内に入れないよう捕まえたまま部屋の入り口に立っている悟。
五条「結局婚約はやめるんだ?」
伏黒「はぁ〜……」
盗聴されていたことに対して恵は盛大に溜め息をつき、そうですよ、良かったですねと悟に言った。
釘崎「離せよ、馬鹿力!!」
五条「ダメだよ、離したらAのとこに行くでしょ」
釘崎「当たり前だろ!」
野薔薇は悟から逃げ出そうとするが、当の本人は余裕な顔で野薔薇を抑えている。
五条「Aはまだ病人扱いなんだから、恵も話が終わったならさっさと行くよ」
伏黒「言われなくても分かってます」
恵は渋々立ち上がり、私に言った。
伏黒「…俺がAを大切に想う気持ちは今までもこれからも変わらない」
『…!…うん、私もだよ』
部屋から出て行く恵の後ろ姿を見て、大きくなったな、なんて思ったあと、甚爾はどう思うんだろうと考えた。
きっと彼のことだから喜んだりはしないだろうけど。
貴方の息子は、貴方の息子だと思えない程いい子だよと心の中で呟いた。
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よっちゃん - すきすぎたやばいですね。。。。。。別の作品も頑張ってください (2021年2月6日 3時) (レス) id: 7291101692 (このIDを非表示/違反報告)
刹葉(プロフ) - レネットさん» コメントありがとうございます!アリスのことを好きになっていただけて作者は嬉しいです…レネットさんの心を満たせるような小説を書けていたなら心から良かったと思います(^^)こちらこそ読んでいただきありがとうございました! (2021年1月6日 11時) (レス) id: 1a2812ca8a (このIDを非表示/違反報告)
レネット(プロフ) - 最初読んだとき、アリスちゃん嫌な奴だな…と思ってたけど最後まで読んだらアリスちゃんを好きになっしまった…。そして七海のハンカチを差し出すという紳士的な振る舞いがカッコよすぎて心が満たされました。面白かったです。ありがとうございます。 (2020年12月31日 23時) (レス) id: ec8ec8961f (このIDを非表示/違反報告)
刹葉(プロフ) - ccndayoさん» コメントありがとうございます…!とても嬉しいです。ccndayoさんの好みに合う小説を書けていたなら、良かったです(^^)こちらこそ読んでいただきありがとうございました! (2020年12月28日 12時) (レス) id: 1a2812ca8a (このIDを非表示/違反報告)
ccndayo(プロフ) - 読ませて頂きました。もうホントに素敵すぎて途中途中感情移入しちゃって涙が出ました。小説も夢小説もたくさん読んできましたが私のどタイプな内容でした…。素敵な作品をありがとうございます (2020年12月27日 22時) (レス) id: 625a5cfc03 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:刹葉 | 作者ホームページ:http://mobile.twitter.com/fall_0613
作成日時:2020年12月1日 16時