25. ページ25
五条「二条先輩?どうなんですかー?試さないんですかぁー?俺が先輩で興奮するかどうか」
背後を着いてくる五条悟は先程からずっとこの調子だ。返す言葉を間違えたな、くそ…
『試さないってさっきから言ってんでしょ』
五条「ふーん。恥ずかしいんだ?何?俺のこと意識してんの?」
『だーかーらー!そういうのじゃねぇ…!好きでもない相手とは試さないって言ってるんですー』
同じようなやりとりを繰り返して早数分。五条悟は諦めが悪いらしい。知ってたけど。
『…さっさと買い物済ませてきなよ。私待ってるから』
五条「それおかしくね?」
振り向くことなく"何が"と素っ気なく聞き返す。
五条「デートなんだから普通は二人でするもんだろ、買い物って」
『本当に付き合ってたらね。私と悟は"フリ"なんだからそこまでする必要ないし』
五条「はー…冷た。さっきの奴らと遊び行った方が絶対良かったじゃん。先輩モテないだろ」
『とっとと行け』
大きなお世話だ。つーか人並みにはモテるわ、付き合わないだけで。
私なら選び放題だって家入硝子も言ってたろうが。
文句を言いながらも五条悟は自身の買い物を済ませるために私から離れて行く。
『はぁ』
交際なんて、誰かを好きになるなんて考えたこともなかったのに、フリとはいえ私は五条悟の彼女になっているのが不思議で堪らない。
未だに五条悟が私を彼女役に選んだ理由も明らかにはなっていないし、私の記憶上、五条悟とはあまり良い関係性を築けていなかった気がするんだが。
初めて会った時のことはもう覚えていないけれども。
「あの」
待つことには慣れているが、立ちっぱなしも嫌だから近くにあるベンチに座ろうと一歩踏み出した私に声を掛けてきたのは五条悟とは対照的な好青年。
『何か?』
「さっきの背が高い人の彼女さんですか?」
『えっと…まあ』
素直に肯定するのも癪なので曖昧な返事をすれば、青年は"えっと…"と困ったように呟く。
『どうしたんですか?もしかして悟が何かやらかしました?』
五条悟の心配ではなく、"何かやらかしましたか"という言葉が出てくる時点で彼女役としてはどうかと思うけど、彼に何かあったと考えるよりは、彼が何かしたと考える方がしっくり来てしまうのである。
757人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
刹葉(プロフ) - みかさん» コメントありがとうございます!個人的には不安ばかりで、そんな嬉しいことを言ってくださる方がいるとは思ってもおりませんでした…!ただただ嬉しいです、ありがとうございます!!これからも楽しんでいただけるような小説が書けるよう精進します!!✌️ (2022年2月18日 21時) (レス) id: 1a2812ca8a (このIDを非表示/違反報告)
みか(プロフ) - コメント失礼します。完結お疲れさまでした…!!最後の夢主ちゃんの自分の気持ちに気づく描写大好きです…!刹葉さんの書く文章凄く凄く好きで、これからも応援してます!コメント失礼しました〜!! (2022年2月18日 20時) (レス) @page43 id: 38ecdec85a (このIDを非表示/違反報告)
刹葉(プロフ) - kanameさん» コメントありがとうございます!ひぇぇ…嬉しいです…!このコメントを見て私もニヤけてます(( これからも楽しんでいただけるよう頑張ります(о´∀`о) (2022年2月5日 3時) (レス) id: 1a2812ca8a (このIDを非表示/違反報告)
kaname(プロフ) - 私「先生、ニヤけが止まりません」私「諦めなさい」私「OK」という脳内会議を毎回してますwww更新楽しみにしています! (2022年2月5日 1時) (レス) @page21 id: 7565f8d7cb (このIDを非表示/違反報告)
刹葉(プロフ) - ちゃんちゃさん» コメントありがとうございます…!更新楽しみにしてくださって本当嬉しいです!性癖に刺さったのなら良かった…期待に応えられるよう、これからも頑張ります!^ ^ (2022年2月1日 21時) (レス) id: 1a2812ca8a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:刹葉 | 作成日時:2022年1月27日 15時