十八* ページ19
五条side
いつもと変わらない僕の日常を壊した第一声は、大っ嫌いで殺してやりたいと何度も思った男のものだった。
雅「五条悟!いるのだろう!出て来い!!」
本当は居留守でもなんでも使ってやりたかったが、あの男のことだ。
僕が出て来るまで延々と叫び続けていそうだし、最悪屋敷に火でも放たれたら、僕はあの男を殺さない自信がない。
「………街のお偉いさんが僕なんかに一体何の用です?こんな人気のない場所に追いやった次は殺しに来た…とか?」
嫌悪を隠すことなく用件を問う。
父「違う。今日はお前に頼みがあって来た」
「頼み…?貴方が?僕に??はは、冗談でしょ」
油断すれば吹き出してしまいそうだ。
僕に頼み?お前の場合は頼みじゃなくて命令だろうがと言いそうになったところで第三者の姿に気付いた。
「あぁ、なるほど。そんな状態になってればそりゃ僕を頼りたくなりますよねぇ」
父「何か“視える”のか!?」
「視えていたとしても貴方は信じないんでしょ?だからこそ僕を気味悪がってこんな街外れに追いやった。違います?」
雅の背後にいたのは僕と同じくらいかそれより少し下くらいの女性で、何がどうしたらそんなになるんだと思うくらい呪われていた。
父「そんな話今はどうでもいいだろう!!娘を助けてくれ!」
「は?どうでもいい?それが人にものを頼む態度かよ」
人を勝手に恐れて晒し者にした挙句、こんな街の外れまで追いやったというのにどうでもいい?
今すぐ殺してしまわない自分に感心する。
父「なっ…!貴様!」
『父上!』
更に汚い言葉を吐こうとしていたであろう雅を止めたのは娘である彼女だった。
『あの…五条様。勝手なお願いだということは分かっています。でもどうか…助けてはもらえませんか』
「娘の方がよっぽど立場を弁えてるみたいだけど?」
僕の言葉に雅は盛大に顔を顰め、正直言えば馬鹿にしてやりたかったけど、それで何か言い返されて頭にこない筈もないだろうから何も言わなかった。
「…彼女を治すなら条件があります」
そもそも本当に治す気があるのなら、もうこの時点で祓ってるけどね。
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?(プロフ) - 今までで1番好きなお話に出会えて本当に幸せですㅠㅠ感情移入し過ぎて自分までもが懐かしい気分になってしまい不思議な感覚でした笑主様の文章力ありすぎて考察もしやすかったです、がち尊敬です!素敵なお話ありがとうございました🥹💗💗 (3月17日 7時) (レス) id: 0539db3d38 (このIDを非表示/違反報告)
刹葉(プロフ) - えねごりらさん» ありがとうございます…!次回作も楽しみにしていただければ…!!(o^^o) (2022年1月26日 17時) (レス) id: 1a2812ca8a (このIDを非表示/違反報告)
えねごりら - 完結おめでとうございます!!!名作すぎるので何度も読み返します笑次回作も楽しみです!! (2022年1月26日 15時) (レス) @page42 id: 71d3d1284f (このIDを非表示/違反報告)
刹葉(プロフ) - えねごりらさん» えねごりらさんコメントありがとうございました…おかげさまで変な終わり方にはなりましたが完結できました…!本当励みになっていたので心からの感謝を申し上げますッ!! (2022年1月26日 1時) (レス) @page42 id: 1a2812ca8a (このIDを非表示/違反報告)
えねごりら - すれ違ってる…切ないが溢れ出てます!!ヽ(゚д゚ヽ)(ノ゚д゚)ノ!!更新お疲れ様です(о´∀`о) (2022年1月25日 21時) (レス) @page35 id: 71d3d1284f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:刹葉 | 作者ホームページ:http://mobile.twitter.com/fall_0613
作成日時:2022年1月17日 20時