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「2人共、入ってくれてありがとう。なかなか見つからなかったから助かったよ。」





目の前の彼女はニコニコ笑っている。

花でも舞い出しそうな笑顔。

みんなが惚れるのも分かる気がするな…。





「僕らも入れるところ探してたんだ。こっちも見つからなくってさ…。」

「そうだったんだ!よかった、見つかる前で。」





実は私、2人と話してみたかったの!



エレンから話を何度も聞いていたり、一緒にいるところを見たことがあるから気になっていたと教えてくれた。

それはこっちも同じだ。





「エレンがすぐに仲良くなった子ってどんな子なんだろう。って思ってたんだ。」

「そうなの?別に普通の子だよ。」





ただ……共感出来ることがあったから話しかけただけ。



何か含みのある言い方な気がした。

というか____共感できる?

2人には何か、共通点でもあるのだろうか。





「共感出来ることって……どんな?」





聞いていいのか分からないことだから、おそるおそる。

目の前の彼女は少し悩んでいる。

かと思いきや、視線をある方向へと向けた後、にっこりと綺麗すぎる笑顔で、





「秘密っ。」





そう言った。

隠したいみたいだった。





「そっか。聞いちゃダメだった?」

「!ううん!大丈夫。ただ、私が秘密にしたいってだけだから。」





もう一度先程の方向へ視線を向けた。

今度は自分も向けてみる。





「ここで初めての友達との秘密!めちゃくちゃ良くない?」





そう言う彼女はとても嬉しそう。

”友達”よりも………もっと大切に思っていそうだと思うくらい。





「……………そうだね。いいと思う。」





彼女の視線の先はエレンだ。

きっとこれまでもこれからも、彼女の視線の先にはエレンがいる。

”幼馴染に目の前の彼女を盗られた”

いや、先に手をのばしたのはエレンの方だ。

何で自分は悪くないような……そんなことを…、





「おい、お前ら。」

「!!っわ…!エレン…?」

「どーしたの?ちょっと不機嫌?」





いつの間にか近くに立っていたエレン。

僕は驚いて声を上げてしまったのだが、対するAはそんな様子は0。

むしろほんの少し不機嫌そうな顔をしているエレンを気にしているようだ。





「………別に。」

「?そっか。体調悪い訳でもないの?」

「ああ。」

「ならよかった!」





あ。

笑顔のAを見て、エレンの機嫌が治った…。

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作者名:紅藍泉(狩羅世) | 作成日時:2023年10月6日 0時

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