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「A!」
「うん?エレン?おはよー。」
「っ!…おはよう!」
いつもと違う、へにゃっとした笑顔。
もはや不意打ちだ。
飯の後に姿を見つけて声をかけたのにこれだ。
「どうしたの?」
「あー……今日まだ話してねーから…。」
「んー?まだ朝だよ?」
やはり、へにゃっとした笑顔。
不思議そうに思っているようには見えない。
もしかしたら、同じ気持ちだったのか?
いつもと違う笑顔は俺にしか向けられていないのでは?
何だが、優越な気分。
「でもさ、毎朝話してたらしないのが変な感じなんだ。」
「!確かにそうだね。私今日は遅かったからエレンの隣とられてて…。」
だからたまには別の子とも食べようかなーって思って。
朝一緒に食えなかったのは遅かったから。
だから今日はアルミンとミカサと食った。
隣はアルミンで、最近のことをからかわれていた。
だから別の奴と、Aは食った。
思い出してからAの言葉を理解できた。
でも…「とられてて」って言うなよ…。
顔に熱が集まる。
絶対赤い。
なんとか返事を絞り出す。
「……そうか。」
それだけなのに、何でそんなに嬉しそうな顔するんだ。
「…………。じゃあ、訓練あるし着替えてくるね。エレンも急ぐんだよー。」
「ああ…。」
宿舎の方から名前を呼ばれ、そっちに足を進めた。
今日は何回Aと話せるだろうか。
赤い顔を隠して。
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作者名:紅藍泉(狩羅世) | 作成日時:2023年10月6日 0時