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一瞬、時が止まったようだった。
風がまた一つ、びゅうっと吹いた。
月に照らされたジャックは更に不気味に見えた。
『それではシンデレラ、ゆきましょうか』
王子「待て、貴様は何者だ。そこから少しでも動いてみろ、何十もの兵士をすぐ呼ぶことが出来るんだぞ」
オロバス「黙れ人間。これは命令だ」
シンデレラは怖さの為か、ドレスの袖が微かに、否、まるで風に吹かれたかのように震えている。
王子も心無しか瞳に緊張の色が混じっている。
それはそうだ。何故なら、明らかに人と違う人外が、自分の妻を攫っていくといっているのだから。
オロバス「ジャック、こいつらは……っ!」
『ッははは! 貴方は自分で戦うことが出来ないんですか? 自分の大切な人でさえ自分で守れないんですねぇ』
王子「なっ……!」
『如何して貴方は兵士に自分達の命を任せ切りにできるのです? 部外者に城の様子を軽々しく教えてしまう様な輩に?』
腰に付けている立派な剣はお飾りだろうか。
王子は不審者を前に抜刀すらしていなかった。
『兵士など好きなだけ呼ぶがいいです。何人居ようと、雑魚は雑魚。お見苦しいですよ』
ジャックはイライラしていた。
何故変えられぬ運命に抗うのか。
無様に生にしがみつく人間の、
なんと儚く脆いことか。
オロバス「ここで時間を食ってしまってはどうしようもない……。ジャック」
『わかっています』
『シンデレラ、聞こえませんでしたか?さぁ、
シンデレラ「はい………」
シンデレラには、考える余裕など残っていなかった。
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シグレ(プロフ) - すごい面白いと思います!文章力とゆうか語彙力がすごいです!違和感なく読めました (2022年8月22日 21時) (レス) id: 860ccc7a5a (このIDを非表示/違反報告)
箱白(プロフ) - かわよ...大好き......... (2022年4月23日 19時) (レス) @page41 id: 812304a9b7 (このIDを非表示/違反報告)
名無しの乳酸菌飲料 - 本日初めて読ませていただきました!物語の構成がとても綺麗で面白かったです……! (2020年11月8日 22時) (レス) id: 3c06ff6ad4 (このIDを非表示/違反報告)
夜干(プロフ) - Jackさん» ありがとうございます(*´ω`)頑張ります! (2020年11月5日 19時) (レス) id: 68f9ca822b (このIDを非表示/違反報告)
Jack - 面白いですね…自分は好きです。 頑張ってくださいね,更新を期待してますので(ニコ) (2020年1月28日 20時) (レス) id: ce46b76302 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夜干 | 作成日時:2018年12月24日 23時