貴方の幸せは私が葬る

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町を歩く。ただ、歩く。
今回は1人だ。グミ達には宿を見つけてそこで待機して貰っている。


しかし……町に活気がないのだが……？

活気どころか……

どんよりとどこか遠くを見つめ続ける道端の物売り。
窓に引かれたカーテンの隙間から見える弱った子供。
本来大事な商売道具である農具を踏みつけ笑う農夫。


何故政府はこんなになるまで手を打たなかったのだろうか。
1年に1度は役人が視察に来るはずなんだが…。


謎は大通りにて直ぐに解けた。
大通りの通りに面しているところだけとても綺麗。
後は案内役が上手い具合に誘導したのだろう。


これは酷い。
もうちょっとマシなら何も分からないうちにバァンと殺れるのだが、
こうとなってしまえば、もう、しっかりわからせる必要がある。

自分が犯した罪を。

幸せの代償がここに返ってきたのか？
でも、流石にこれは酷すぎる。


しかし、シンデレラを殺せばここの民はきっと
｢普通は持っているべき幸せ｣
を手に入れることが出来るだろう。

完全無欠の幸せを受けたのは、
何故シンデレラだったのだろうか。

完全無欠の幸せは、永遠に続かないのに、
何で本の結末には
｢いつまでも幸せに暮らしました｣
とか書いてあるのだろう。


ポケットに手を突っ込み、
少し猫背で歩く。

コツ、コツ、コツ、コツ。
石畳に、靴の当たる音。

それが一層、ジャックを瞑想の世界へ引き摺り込む。


コツ、コツ、コツ、コツ。

コツ、コツ、コツ、コツ。


｢そこのねーちゃん！俺とちょーっと遊んでこー？｣
『黙れ』

綺麗な肘鉄だった。


紳士の欠片も無い、
とても綺麗な肘鉄だった。

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ラッキーカラー

あずきいろ

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