２★どうしたの ページ2
「どうしたのっ？！」
慌てて駆け寄って、
倒れこむ体を間一髪で支えた。
「ま…くん…」
「うんどうしたの、気持ち悪い？！」
顔色がさっきより数段悪い。
土気色…ていうんだっけこういうの。
爪も唇も真っ青だし、体もガタガタ震えてる。
とりあえず寝室に運んだ方がいいかなとか考えてるうちに、
「え、ちょ、うそ…っ」
腕の中のAさんがフッと目を閉じて、
途端に力の抜けた体がずっしり俺にもたれてきた。
「Aさん、ねぇAさんっ！」
呼んだらうっすら目を開けてくれたから、
意識はギリあるみたい。
だけど息も浅くて苦しそうだし、
(どっ…どうしよ…)
貧血みたいな症状に見えるけど分かんない。
このまま家にいて治るならベッドに連れてくけど、
「ね、とりあえず病院行こ？」
その方がいい気がした。
Aさん前にも店で倒れたことあるし、
病院行ってなんか検査とかしてもらって、
それで何もないならないで俺も安心できるし。
「待ってて、車のキーとか取ってくる」
「でも…ま、くん…お仕事、」
こんな時に死にそうな顔して何言ってんだよって思ったけど、
今そんなこと怒ったって仕方ない。
「大丈夫、俺明日オフだし。
心配いらないから、ね？」
Aさんをとりあえず玄関まで運んで壁に寄りかからせた。
自分の部屋のクローゼットを開けて、
(なんか着るもん…これでいっか)
手近なパーカーを引っつかんで廊下に戻った。
普段ならこんなもん着るような季節じゃないけど、
Aさんすげぇ寒そうにしてるし、もう夜中だし。
「あ、もしもし？
ごめん俺だけど…」
貴重品とキーだけ持って、
パーカーをAさんに羽織らせながらマネさんに電話した。
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作者名：薫子
| 作成日時：2017年12月15日 17時
