心が読める、B級隊員【ワールドトリガー】 (ページ6)

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5話ページ6

遠征組が出発して1週間後、私は今玉狛支部に来ていた。

そして、何故か桐絵と模擬戦をしている・・・

桐絵の双月と、私の弧月が激しくぶつかり合う。

桐絵は、後ろに距離を取り、メテオラをフルで私に撃ってきた。

しかし、それを私はグラスホッパーで上に回避をして、そのまま桐絵に突撃する。

私は、そのまま旋空弧月の構えを取った。

「おっと、そう簡単には行かないわよ」

私の撃った旋空弧月をダメージをうけながらも耐えて、双月で私の首をはねた。

「くっそー、一本取られたー」

私は、悔しそうに言い放つ。

─模擬戦終了、小南4勝6敗、早川6勝4敗、勝者
早川─

模擬戦を終えて、私はソファーに横たわる。

そして、数時間前の事に頭を過ぎらせる。

「はぁ、何で玉狛にに来たんだっけ・・・」

元はと言えば、迅さんがわたしを呼んだことがきっかけだ。

そんでもって、その迅さんは今いないし、桐絵と模擬戦するし、栞が居ないからお茶とどら焼きも出ないし、雷神丸も居ないからモフモフ出来ないし・・・

もう、何なの一体！

「あー！また負けたわー」

そして、いきなり桐絵が入ってきて、わたしをポカポカする。

「ちょ、止めて桐絵。4本取れたから良いじゃない」

そう言うも、桐絵はポカポカを止めずに、私に悔しさをぶつける。

「きーっ！何で私がここまでボロカスにされるのよー！何で今まで何度もやってるのに、勝ち越せないのよー！」

止めて、止めてと言いながら興奮状態の桐絵を無理やり離す。

「もう、良いじゃん。自分で言うとのもなんだけど、私から4本も取れるのはすごい事だと思うよ」

そう桐絵を慰めるが、桐絵にあまり効果はない。

落ち着くまで待つしかない。

しかし、凄いと言うのは事実だ。

実際私から1本取るだけでも、A級以上のレベルが必要だし、4本なんて太刀川さんでも数十回に1度あるかないか無いかだ。

桐絵みたいなタイプはあまり心の声が戦闘中に聞こえずらい。

その理由は、戦闘の大半を感覚で戦うからである。

感覚で戦う人間ほど、心が読み辛く、その結果数本取られる。

逆に、風間さんや、村上先輩なんかは機械的に戦うので、今まであまり取られたことは無い。

「しっかし、迅さんは本当にどこ行ったの」

桐絵を落ち着かせながら、私はそう呟いた。

自分から呼んでおいて居ないとは失礼な話である。

しかし、そう思った直後に、扉の開く音と、呑気に帰宅する迅さんの声が聞こえた。