37話 ページ43
「はぁ・・・もうやだぁ・・・」
私は今回のラッド討伐作戦が本当に憂鬱であった。
既に他のボーダー隊員達は討伐へ向かっている。
今回はC級まで動員している辺り、相当な数らしい。
それを思うと更に憂鬱になってきた。
「ん、早川さんは虫嫌いなの?」
空閑君が私に訊ねてくる。
「うん、本当に無理。生理的に無理。太刀川さんと一日中ランク戦の方がよっぽどマシ」
「おーい、比べるものがおかしいぞー」
そう迅さんから突っ込みが入ったが知ったことではない。
とにかく無理なものは無理なのだ。
「あのー、早川先輩・・・」
三雲くんが少し訊ねにくそうに私に訊ねる。
私は心を読み、何を聞きたかったかを把握する。
「私のサイドエフェクト?そういえば説明してなかったね。簡単に言えば半径十メートル程の人の心が無条件で私に聞こえるの」
一部を除いてと、心の中で付け加える。
「え、それってかなりキツいんじゃ・・・」
「まあね。けど今はかなり音量も調節効くようになったから、昔ほどストレスは感じないよ。ああ、別に大丈夫。そんなに気負いしなくても」
私の話を聞いている三雲くんの心の中は申し訳ない気持ちで一杯だった。
中々気配りの良くできる少年だと私は感じた。
しかしラッドであるが、もう帰って良いかな。
「おいこら、帰るな真衣」
迅さんに引き留められた。
てか、地味に心読んでくる辺り迅さんも中々すごい気がする。
こりゃ帰ったら、ベットにめり込んでいるんだろうなとラッドを見つけて思う私であった。
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作者名:panrou x他1人 | 作成日時:2018年10月24日 1時