29話 (過去) ページ34
その後、私は誰にも彼女の死を伝えることは無かった。
伝えたら学校から離れた焼却炉ということもあり私が疑われることと、伝えたところで、ミキの遺体は回収されることは無いからだ。
それに、今の私にはそんなことを伝えようとする気力が無くなっていた。
家に帰ってからも、私の中で何かが無くなってしまった・・・
そんな、虚無感があったからである。
山城 ミキ、彼女は私の中ではかなり大きなものであったようだ。
最初から私にとって、彼女は特別な存在であることは間違えでは無かった。
しかし、彼女の死で初めて私は彼女が私の中でどれほど強く存在していたかと認識することが出来た。
そう思うと、私の中である1つの感情が芽生える。
「やり返したら、彼奴らと同じ?」
「どれだけ辛くても、我慢する?」
「そんな馬鹿げた話があるか・・・」
私はポツリと呟いた。
何故、罪もない彼女があんな目に遭わなければならなかったのか。
何故、彼奴らはこの世でのうのうと過しているのか。
そんな事が許されるはずがない。
────壊サナケレバ、彼奴らは─────
今の私には、今までに感じたことの無いような感情が渦巻いていた。
そして、何かを手にした感覚に陥っていた。
ミキ、私は貴女の仇を・・・
そして、彼奴らにも貴女と同じ苦しみを・・・
そう、1人決心した。
仮にも彼奴らを殺す気は無い。
生きていることを「死」と感じさせる。
私に迷いはない。
この日の私は、狂っていた。
そして、今までにないほど怒っていた。
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作者名:panrou x他1人 | 作成日時:2018年10月24日 1時