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26話 (過去) ページ30

翌日、彼奴らが私に絡んてくることは無かった。


いつもなら、うざったいくらいに絡んでくるのに、それが無いというのは逆に不気味であった。


噂によると、複数人の生徒が彼奴らの悪行を先生達に相談したらしい。


彼奴らは私をいじめる以外にも、他にも色々やらかしていたそうな。


何について指導を受けているのかは正直興味なかったが、しばらくの間は彼奴らに絡まれることがないという事が私を少し嬉しくさせた。


私は少し上機嫌になり、鞄の中からお気に入りの本を一冊取り、久しぶりに学校で本の世界に浸り始めるのだった。



******



「あれ、おかしいな・・・」


帰り道、私とミキはいつもの所で待ち合わせをしていたはずなのだが・・・


その場所には、彼女の姿どころか、誰の姿も無い。


今日は、休みという可能性もあった。


基本的に、私達は学校で会話したりすることなどまず無い。


何せ、ミキが学校内で私と仲良くしていたら、ミキまでいじめられるのではないかと、私が思ったからだ。


だから、私はミキが休みなのか、休みでないのかという事さえ分からなかった。


もう暫く待つことにした。


私は鞄の中から一冊本を取り出して読み始める。


しかし、何故かあまり読むに気なれなかった。


私が本を読む気になれない・・・あまりない事で有るが、そういう時には大体私の身近に良くない事が度々起こる。


それはあくまで、私の思い込みなのだろうが、あまり良くない気分であることは確かだ。


朝は、彼奴らが来ないと知った瞬間から、私の心は上機嫌だったはずなのだが・・・


待てよ、それがもしかしてミキが仕込んだことだったら・・・?


それを、偶然にも彼奴らが知ったら・・・?


私は無意識的に学校へと走り出していた。


時刻は午前6時半、もう学校には殆ど誰もいない状態。


頼む、私の思い込みであってくれ。


私は心からそう懇願した。

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作者名:panrou x他1人 | 作成日時:2018年10月24日 1時

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