24話 (過去) ページ27
それは、私が中学二年生の頃の話だ──────
私はいじめられていた。
今も、4人ほどの女子が私の周りに立って、殴ったり、蹴ったり、罵倒したりなど好き放題である。
当たり前だ。心を読む人なんて気持ち悪い、異質な人間である事くらい私にでも分かる。
実際、いじめている奴らの心を読むと私の事を異質な人間だからいじめても問題無いとまあ、勝手なものだ。
普通は相談するべきなのだが、親は既に二年半前の近界民の侵攻で他界してしまっているし、先生は何か信用出来ない。
だが、私は「キモい」だの、「死ね」だの散々言われながら暴行され、挙句の果てには私の持っているカバンを投げ捨てられたり、机の中にはゴミを入れられたりと、普通の中学二年生のメンタルでは耐えきれないいじめも、「こいつら、芸が無いいじめしかしないな」としか感じれなかった。
実際怪我をして帰っても、どうせ少し血が出たくらいで、すぐ治るし、彼奴らもただ暇つぶしで私をいじめているだけである。
正直、私には少し辛いくらいで、支障が出る程辛くもなく、人生の中のほんの一つのハプニングとしか捉えていなかった。
皆、心を読む力を持った私の事を気味悪がっているが、正直一番私が気味悪がっているし、辛い。
一度でもいいから、彼奴らに味あわせてやりたいと思った事は多々あった。
まあ、無理な話だが。
「ったく、本当にこいつ気持ち悪いんだよ」
「全く、こいつが居たら私達の純情な心の中を読まれちゃうしね」
「本当、まじ死んでくれないかな」
「ねー、気持ち悪い人は皆死んじゃえば良いのに」
そんな事を言いながら、笑いながらこの場から立ち去っていく彼女達の後ろ姿を見送りながら、私は「やれやれ、やっと終わった」と思いながら、少し目を瞑る。
すぐに立ち上がったら、また面倒になるだけだ。
私は仕返しをするつもりは無かった。
仕返しをすると、彼奴らと同じだ。
それだけは私はなりたくなかったのだ。
たとえ、それがどれだけ辛くとも、どれだけ悔しくとも、どれだけ腹が立っても・・・
私は暫く目を瞑り、彼奴らが完全に姿を消した後、すぐ様帰路に着いた。
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作者名:panrou x他1人 | 作成日時:2018年10月24日 1時