19話 ページ22
「それにしても、かなり酷いな」
歩きながら街を見渡すと、所々でまだ黒煙が登っていたり、建物が倒壊していたりなど酷い有様である。
それに、先程からすれ違う人からは負の感情しか感じられない。
余程、この状況がストレスなのだろう。
まあ、無理もないが。
4年半の時を経て、再びこんな事になるなんて平和ボケした市民達にとっては、考えてもみなかったことだしな。
そんな事を考えながら私は玉狛に向かった。
しかし、迅さんは何故私を玉狛に呼んだのか・・・
私は街の倒壊の事から、別の話題に変えて考える。
勿論、私の家が倒壊した事が第一だろうが、あの人の事だ、裏の目的が有るに違いない。
それに、以前言っていた太刀川さん達と戦わなければならないという未来が関係しているのだろうか。
確かに、太刀川さん達はもうそろそろ帰ってくるし。
考えても結論に至ることは無かった。
仕方が無い、玉狛に着いてから迅さんに問うことにしよう。
私は耳にイヤホンを付け、好きな音楽を流し目的地へ向かっていった。
そして、私が玉狛に行った日を境に、
私の世界が、人生が、そして"もう一人の人格"
が大きく動き始めることは、今の私には知る由も無かった。
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作者名:panrou x他1人 | 作成日時:2018年10月24日 1時