1話 ページ2
「ランク戦終了。8-2勝者早川」
「はあ・・・やっと終わった」
そう言いながら、私は仮想戦闘空間から出てラウンジへと体を休めに向かう。
米屋とのランク戦10本勝負。
何時も通りに勝利をおさめるも、少し動いただけでかなり疲れた。
ラウンジに着くと既に、先程まで戦っていた青年、米屋 陽介が座っており、私の姿を見ると手を振りながら私の名を呼んだ。
「おーい、真衣ー!こっちこっちー!」
見ればわかる。恥ずかしいからやめろ。
そう心の中で呟きながら、私は米屋が座っていた席の隣に座る。
「ほれ、オレンジジュース」
そう言って、米屋は私にオレンジジュースを手渡した。
ありがとうとだけ言い、ストローを刺し込み、冷たいオレンジジュースを飲む。
はぁー、ランク戦の後のオレンジジュースはやはり美味いものだな。
私は1人、ランク戦の後のオレンジジュースの美味さに心打たれている時に、米屋は私に話しかけてきた。
「っはー、やっぱ真衣には勝ち越せないなぁ。お前のサイドエフェクトやっぱ、ズルくね?」
米屋は少し笑いながら私にそう言う。
「まあね。それが私のサイドエフェクトだから。それでも、米屋はまだ読みにくい方だよ」
私がそう言うと、米屋は首をかしげた。
恐らくよく分からないのだろう。
まあ、説明する気はないが。
私は再びオレンジジュースを飲み始めると、米屋が話しかけてくる。
「なあ、説明してくれよ、どういう意味か。もしかして、理解できないだろうとか思ってないよな?」
ん、こいつ結構読心の才能あるんじゃね?
槍バカにそんな事を思っていると、もう1人のバカが現れた。
「お、槍バカに真衣じゃねぇか。ランク戦か?」
黒の特攻服を着た青年 出水 公平、通称弾バカである。
「おお、そうだ8-2で俺の負けだった」
「成程」と米屋の言葉に、出水は頷きながら私に言った。
「よし、真衣。俺ともランク戦しようぜ」
何故その理論に辿り着いた。
思わず本音が出そうになった。
「嫌だ。さっき米屋とも戦ったし、もう1人の疲れた。今日はもう閉店」
そう言って、ラウンジの椅子に寝転がると、出水の心の声がたまたま聞こえてくる。
(はぁー、無理かー。こりゃ杏仁豆腐買ってやるって言っても無理なパターンか?)
「杏仁豆腐」、「買ってやる」その単語に私は敏感に反応した。
「杏仁豆腐買ってくれるの?ならやってあげるよ」
私は出水に微笑みながら、そう言った。
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作者名:panrou x他1人 | 作成日時:2018年10月24日 1時