怖くて冷たい上司を好きになった【東京喰種 宇井郡】

十一 ページ12

蒼『...』

貴「あ、の。そ..うた？」

蒼『...め？』

貴「ぇ...？」

蒼『俺じゃ...だめ？』

貴「な、にが？」

俺はAを離した。

蒼『Aが好きなんだ。』

貴「ぇ、」

蒼『俺ならAを傷付けない。一人にしない。ずっと一緒にいるから...。守るから！宇井さんよりもいい男になってやるから！...俺じゃだめか？』

貴「そ、うた...。私はまだ...」

蒼『わかってる。まだAが宇井さんを諦めきれてないのはわかってる。でも俺も諦めたくないんだ。もうAが傷付くのを見てられない。』

Aの瞳からまた涙がこぼれた。

貴「うっ...。わ、私なんかでいいの...？」

蒼『私なんかって言うなよ。お前だからいいんだ。』

貴「あ、あり...がと。私も...蒼太が好きだよ。」

蒼『っ///』

貴「まだ諦めきれてないけどちゃんと忘れるから。」

蒼『！...忘れる必要は無いよ。』

貴「ぇ...」

蒼『人を好きになるのはとても素敵なことだと思うんだ。だから、忘れなくていいんだ。そのかわり俺の事をもっと好きになってもらいたい！いや、なってもらえるように頑張るから！な？』

貴「ふっ、あははっ！」

蒼『？俺おかしいこと言ったか？』

貴「んーん。違うの。蒼太らしいなって思って」

蒼『俺、らしい？』

貴「うん！ありがとう蒼太！」

蒼『そっか。』

貴「いつもごめんね？迷惑かけてばっかで...。ぅわっ！」

Aの髪をクシャッとする。

蒼『なーに言ってんだよ。幼馴染みだろ？お前の事はガキの頃から知ってるし。』

貴「ふふ。だね。ずっと一緒にいるもんね。」

蒼『もっと頼っていいんだぞ？』

貴「えー、でも迷惑かけらんないよ。」

蒼『迷惑なんかじゃないよ！い、一応...か、彼女なんだし...』

貴「っ///そ、そぅだね。」

蒼『な、なんかこれ...。学生通って感じ笑』

貴「あー、確かに！なんか高校に戻った気分！」

蒼『なっつかしーなー！』

貴「あー、もうなんか私おかしいのかも。」

蒼『え？』

貴「だってさ私さっき振られたんだよ？そうとは思えないよ。」

Aが一瞬顔を歪めた。

蒼『！A！』

貴「うぇっ、な、何？」

蒼『向こうのコンビニまで競走だ！』

貴「え！？ちょっ！フライングー！」

やっぱりアイツには宇井さんだけなんだ。

アイツは昔っから優しい。

だから無理してるんだ。


あー、やっぱりアイツになんか言わねぇと気がすまねぇ。

流石にあの振り方には我慢できない。

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