ご主人様の言う通り episode4 (ページ8)

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確かに私はずるい。

何をやるにも中途半端で、

実際、翔くんと付き合ってるのにこうして和に会いに来てる。

｢何やってんだろ自分｣

慣れない土地で特にすることも無く、駅に向かって歩く。

『あの、、』

下を見て歩いてると誰かに声をかけられた。

｢はい｣
｢あ、、｣

顔を上げると"かなさん”とやら言う女の人が立ってた。

『もしかして…貴方がAさん？』

｢…何故名前を｣

『やっぱり。よく主人が話してるもので』

｢…主人、｣

『あれ？聞いてませんでした？

私たち結婚するって』

｢聞いてませんし、、

私には関係ないので｣

『じゃあ今日はなぜこちらまでいらしたんです？』

｢和、、和也さんが無言で出ていったので気になっていただけです｣

『ほんとにそれだけですか？』

｢…そうです｣

『まぁ、いいです。

私たちこれから顔合わせですので。

失礼します』

｢わざわざ押しかけてすみませんでした｣

その場から早く離れたくて小走りで駅に向かった。

｢結婚…するんだ｣

なんだか馬鹿らしくなってきた。

彼氏に嘘ついて既婚の男に会いに来てるなんて。

｢あーーバカバカしい……っ…｣

なんなのよ…

散々人の気持ち掻き乱して、

急に出てったと思ったら結婚？

｢なんなの、、｣

思い心を背負ったまま、私は電車に乗り込んだ。