【話集】fluff

2-3 quarrel ページ29

不思議に思って近づくと、直後、


ギュ



…へ？

見上げると翼の美貌がドアップで目の前に‼

顔が熱くなるのを感じながらも平気を装って訊ねる。

「な、なに？」

「アーヤが恋しくて…」


理解するには2、3秒かかった。

「た、翼！また人をからかって！」

途端に悪戯っ子のように舌を出して、

「あ、バレた？」

翼はそう答えた。もう！

そんな様子じゃそれほど深刻でもなさそうだね。

「翼からの召集だって聞いたから心配したのに…」

「心配してくれたの？」

凛とした瞳に甘やかな光が差して、思わずふっと息を呑む。
あざといのに、胸がドキドキする。本当に翼の目は凶器だ。。。

「少し人手が必要になっただけなんだ。大丈夫だよ。」

少し切なそうな表情でそう言うと、天使の微笑を浮かべながら、こう言った。

「まぁ、アーヤに思われるなら本望だけど。」


！！

もういいや。翼が思ったより元気だから重大ではない！

終始からかわれた私は未だにクスクス笑っている翼を置いてその場を後にした。

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