白と黒と、【男主】【刀剣乱舞】 (ページ13)

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陽岬･過去編5 ページ13

気持ちの良い朝

覚醒する意識

とうとう、ここでの最後の朝が来てしまった

陽岬「……」

隣を見るとみんなもう布団を片付けて、審神者部屋から出ているようだった

………

…私が大広間に行けばきっと彼らはいつものように笑い合いながら朝餉を食べることだろう

でも、その''いつも"が、今日終わるのだ

洗面所へ向かいながら考える

陽岬(あーあ)

やっと築き上げてきたのに

また、独りになるのだろうか

そう考えると止まらない

笑顔でいなければならないのに、

陽岬「ふぅ……」

息を吐く

そうだ、

みんなに心配させてはいけない。

感ずかれないように、

.

"隠さねば"

.

ﾊﾟﾝｯと、自分の頬を叩き、気合いを入れ直す

笑顔を鏡に向ける

そう、これが、いつもの私……

元気で明るくて、ちょっと馬鹿で、

私はいつも……

鏡を見つめる

……あれ？

なんで……？

見つめたそこに居たのは、笑顔の"私"なんかじゃなかった

鏡に映っていたのは

酷く顔をゆがめ、お世辞にも可愛いとは言えない顔をした醜女だった

陽岬「あれ？」

もうこの頃、既に自分が自分ではなくなっていた

たった数日、自分だと思われる"何か"を演じていただけで

本当の自分がわからなくなって

酷く苦しくなって

何かにすがろうにも縋れなくて

陽岬「は、あはは……？あっははは！！」

酷く最悪な気分だった

歌仙「……主！そろそろ時間だよ！いつまでダラダラしているつもりだ……

「んふふ！あはは！！！！」

……い？」

それでいて、

歌仙「主！？！！」

最っ高だった

もう誰にも何モ分からなかっタ

ダレが本当のジブンで、ワタシがダれなのかモ

モウ、気ヅイタ時ニハ手遅レダッタ

ネェネェ、歌仙？アタシッテダァレ？