薄桜鬼〜三番組組長の右腕〜

羨ましい ページ9

千鶴が洗濯や掃除などの雑用を手伝い始め､巡察に同行できるようになったのは新選組にきて半年近く経った頃だった｡
私は長州の間者を見張るため連日桝屋に張り込んでいた｡
その為最近は千鶴と話す機会があまりなく｡
同じ場所に住んでるのに少し寂しい｡
貴(今のところは目立つ動きはない､か。)
雪｢賑やかだー！｣
沖｢千鶴ちゃん､巡察だってこと忘れないでね｡｣
雪｢は、はい｡｣
貴(今日は一番組なんだ。)
道行く人に綱道さんの事を尋ねて回る千鶴。
千鶴の外出許可が出たのは斎藤さんに剣を認められたから｡
斎藤さんと沖田さんが副長に頼んでくれたのだと千鶴から聞いた。
貴(羨ましい...なんてね。)
半年近くでもうもう皆さんに馴染んでる｡
千鶴は人を引きつける力を持っているんだと思う｡
きっと私に足りないもの｡
男｢そういう感じの人ならしばらく前にそこの桝屋さんで見かけましたよ｡｣
雪｢本当ですか？！ありがとうございます！｣
桝屋ー？！
貴｢ちょっ...！｣
一目散に桝屋へ駆け出す千鶴｡
貴(だめ、そこは...！)
雪｢すみません！お尋ねしたいことがー
桝1｢こ、こいつ！さっき新選組と一緒だった奴だ！｣
桝2｢馬鹿者！早まるな！｣
ギィィン...
雪｢A！｣
貴｢さがって！｣
沖｢ほんと君って運がないよね｡｣
貴｢沖田さん｡｣
沖｢ありがとAちゃん｡あとは僕達がやるよ｡｣
一番組の隊士らが桝屋に突入していく｡
状況がのみ込めない千鶴はただ呆然と立ち尽くしていた｡

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