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不「そうか、遥希さんの娘か。」
懐かしむように遠くを見つめながら不知火は呟く。
貴「父に会ったことがあるんですか?」
不「俺がまだガキの頃な、優しくて、強くて、かっこよくて、血は濃かったしなぁ。鬼の中の鬼って感じだったが、誰よりも鬼らしくなかった。」
貴「どういう...」
不「人間が好きってことだ。鬼は人間を嫌う。だが遥希さんは人間と恋をして京を去った。それっきりだ。」
貴「そうだったんですか。」
父の過去を思わぬところて知り、少し動揺していた心を落ち着かせる。
不「お前はなんで京にいるんだ?」
貴「両親は何者かによって殺されました。身寄りのなくなった私を新選組の方が拾って下さり京にきました。」
不「なるほどな。嬢ちゃん。」
貴「はい。」
不「覚えておけ。俺は仕事上手は抜かねぇ。それはあいつらも同じだ。俺らが本気でしかければ人間は無力だ。」
関わらない方がいい、そんな目をしている。
貴「忠告、ですか?」
不「あぁ。」
貴「天霧さんにもされました。」
不「だったらー」
貴「でも、私は戦います。千鶴が新選組にいたいと思う限り、新選組が彼女を守るという限り、私は戦います。」
ぎゅっと握ったこぶしは力の入れすぎで白くなり、少し震えている。
それを止めるように不知火さんに手首を掴まれる。
不「力入れすぎだ。」
貴「...はい。」
力を緩めこぶしを解くと手は離れた。
不「言っても無駄かもしれねぇけどよ、あんま無理すんなよ。」
貴「心遣い感謝します。...私そろそろ行きます。」
不「あぁ、また気が向いた来いよ。」
貴「はい、失礼します。」
来た道を戻る足を止める。
貴(あんま無理すんなよ、か。)
いつだか平助さんにも言われたっけ。
貴(まだ、足りないから。)
両頬をパチンっと叩き、気を引き締め歩き出した。



千鶴と薫は分かり合えたようで。
2人は涙の跡はあるものの満面の笑みを浮かべていた。
再会を約束し私達は屯所へ帰った。

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シルバーウルフ - 最初から全て読ませてもらいました。凄く面白いです!!!!(o・ω・o)更新再開楽しみにしてます。(*^^*) (2020年8月7日 15時) (レス) id: 769a4deb70 (このIDを非表示/違反報告)
咲耶(プロフ) - ノドカさん» ありがとうございます!どんどん更新できるように頑張ります!応援ありがとうございます! (2018年1月27日 20時) (レス) id: 5d27d89fab (このIDを非表示/違反報告)
ノドカ - とても面白いです!更新楽しみにしてます!頑張ってください! (2018年1月27日 19時) (レス) id: 94062155e7 (このIDを非表示/違反報告)
咲耶(プロフ) - ミリアさん» とても嬉しいです!更新を早めにできるように頑張りたいと思います。今後の作品の参考にさせて頂きますね。応援ありがとうございます! (2017年12月3日 0時) (レス) id: 5d27d89fab (このIDを非表示/違反報告)
ミリア - 凄く気に入った作品で続きが楽しみです今後他の作品を作る予定があったら薄桜鬼とコラボかトリップか転生したワールドトリガーの三雲隊か三輪か天羽の姉か妹かアニメKの作品が読んでみたいです説明が下手だったらすみませんこれからも更新頑張って下さいね (2017年12月1日 15時) (レス) id: 9bec705c08 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:咲耶 | 作成日時:2017年9月9日 18時

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