薄桜鬼〜三番組組長の右腕〜

お出掛け ページ22

雪｢Aと出掛けるなんて本当に久しぶりだね！｣
貴｢うん｡どこか行きたい場所はある？｣
雪｢うーん､えーとね...｣
今日は千鶴と2人で町へ出掛けてきている｡
私自身こんなにゆっくりと町を歩くのは久しぶりで､少しわくわくしている｡
櫛や簪､着物など普段見て回れない店を回ることに｡
千鶴は目を輝かせている｡
一通りみて回りお団子屋さんで休憩をした｡
雪｢美味しい！｣
貴｢うん｡本当に美味しいね！｣
雪｢...ありがとうね､A｡｣
貴｢どういたしまして｡｣
満面の笑みでそう言った千鶴に私も自然と笑顔になる｡
貴｢そろそろ行こうか｡｣
雪｢うん！｣
団子屋を出ると女の子の嫌がる声が聞こえてきた｡
女｢やめてください！離して！｣
千鶴に待っていてと頼み騒ぎに近づく｡
浪｢お前ら民草の為に働く我らに酌の一つもできんのか！｣
貴｢嫌がる女の子に無理やり酌をさせるのは武士として恥ずかしいですよ｡｣
浪｢なんだと！？｣
浪｢生意気な小僧が我らに反論するか！｣
沖｢君達何してるの？｣
浪｢浅葱色の羽織...新選組か！｣
沖｢知ってるなら早いよね？｣
浪｢くそっ！覚えてろ！｣
貴(忘れられてた方が次会った時楽なのに...)
なんて心の中で突っ込んでしまった｡
女｢あの､ありがとうございました｡｣
貴｢いえ､私は何も...｣
女｢私南雲薫と申します｡よろしければお名前を教えて頂けませんか？｣
貴｢雨宮Aと言います｡｣
女｢雨宮さん､お礼をしたいのですがお時間を頂けますか？｣
貴｢そんな､お礼など｣
平｢いいんじゃねぇ？行ってこいよ｡｣
貴｢平助さん｡｣
沖｢この子は僕達が連れて帰るから｡｣
貴｢わかりました｡千鶴､ありがとう沖田さん達を呼んできてくれて｡｣
雪｢ううん､何もなくてよかった！｣
貴｢うん｡沖田さん達と先に帰っていて｡｣
雪｢わかった｡今日はありがとう｡｣
貴｢いいよ｡それではまた後ほど｡｣
沖｢うん｡土方さんには僕から言っておくよ｡｣
貴｢ありがとうございます｡｣
沖田さん達を見送り､薫さんと少し歩き人気のない神社に来た｡
南｢改めまして先程はありがとうございました､雨宮Aさん｡私のことは薫とお呼びください｡｣
その顔は少し妖笑を浮かべていた｡
貴｢はい｡｣
薫｢無口な方なんですね｡｣
貴｢...何の話があるんですか？｣
わざわざ人気のない神社に来たということは何か特別に話したいことがあるはず｡
さらに深くなった妖笑がそれを意味していた｡

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