薄桜鬼〜三番組組長の右腕〜

斎藤said ページ15

Aが最近暗い顔をしていることが多くなったのは、俺の気のせいなのだろうか？
中庭で1人稽古をしている咲耶。
その顔は決して明るいものではない。
集中しているとは違い、何か必死になっていると感じる。
沖｢何をしてるの一君？｣
斎｢総司､少し考え事をな｡｣
沖｢Aちゃんのこと？｣
横に立ち目線の先にいる人物の名を口にする総司｡
斎｢あぁ。｣
沖｢一君ってさ､Aちゃんのこと好きだよね。｣
斎｢いきなり何を言い出す｡｣
沖｢好きじゃないの？｣
斎｢おい総司､話を聞け｡｣
沖｢じゃー嫌い？｣
斎｢そんな事言っていないだろう。｣
沖｢そこは否定するんだ｡｣
斎｢だいたいあんたはいつも唐突すぎる｡｣
沖｢で､どうなのさ｡好きなの？｣
斎｢何ゆえそのような事を話さねばならぬ｡｣
沖｢君がそんなに気にかけてるの咲耶ちゃんだけだし｡｣
斎｢戦場に共に行くのだ｡気にかけるのは当たり前だろう｡｣
沖｢ふぅん｡そういうもんかなぁ？｣
斎｢何が言いたい｡｣
沖｢別にー｡けど何かしてあげたいとかって考えてるのかなーって思っただけだよ｡｣
斎｢...｡｣
沖｢たまにはお祭りとか連れてってあげたら？贈り物とかさ｡｣
斎｢それはあんたの方がー｣
沖｢それは僕の仕事じゃないよ､一君。｣
手をひらひらとさせ去っていく総司｡
本当にいつも何を考えているのかわからん｡
だが､そうだな…
斎｢祭り､か｡｣
今夜神社で祭りがあったはすだ｡
俺は中庭で木刀を振るうAに近付いた｡

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