偽×偽＝恋？ 【赤司征十郎】

ニセモノ04 ページ5

赤司視点




大学近くの大通りでナンパに会っていた女の子を助けた。





事態も一件落着、さぁ帰ろうとした瞬間腕を後ろに引っ張られる。





何事かと驚いて後ろを向くと彼女がまっすぐこちらを見ていた。





『私の、偽の恋人になって下さいッ！』





「…………は？」






突然、何を言ってるんだろうこの子は……。頭のネジが外れているのか…？






「もう一度言ってくれないかい？」






『私と偽の恋人になって下さい』






今度ははっきり聞き取れた。だが、なぜ初めて会った俺にそんなことを言うのだろうか。






「なんで初めて会った俺にそんなことを言うんだい？」





そういうの彼女は少し考えた後、






『カッコいいから？』






と言った。






駄目だ。やっぱりネジが外れているんだ。






「カッコいいから、って外見だけで人を判断するなんて君は馬鹿か？」





俺がそう言うと彼女がムッとした。






『馬鹿じゃありません。貴方がいいと思ったから言ったんです』





「じゃあ、こんなことをされてもまだそう言っていられるかい？」





『は？っわぁ！！』





彼女の腕を引っ張り近くの小さな路地に連れ込む。そして壁に押し付けた。





当の本人はビックリしてこちらをみている。
まだ状況がつかめていないようだ。





そんな彼女にグッと顔を近づけ、鼻と鼻がくっつくすんでのところで止める。






「まだ、俺がいい？」

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