ニセモノ36 ページ37
「初めまして、佐野知樹と言います。今日はこの話を受けて下さってありがとうございます」
彼が頭を下げるのに合わせて、私も慌てて頭を下げた。
遂に、この日が来てしまった。
赤司くんからの連絡が全く無いまま、迎えたお見合い当日。
気にし無いようにしながらも何処かで彼からの連絡を期待していた私。
その事がかなりショックで、気分はダダ下がり。
『(はぁ、顔見たい。声、聞きたいな)』
「あの、柊さん…？」
『あ、はい！すみません、ぼーっとして…』
そう言って謝れば、大丈夫ですよ、とふわっと笑う佐野さん。
あぁ、こりゃモテるわけだ。
ふと、隣のお父さんを見れば、向かいに座っている佐野さんのお父さんと楽しそうに話している。
「柊さんは大学生、なんですよね」
『はぁ、佐野さんは父と同じ会社で働いているとお聞きしました』
「ええ、お父様にはお世話になっています」
申し訳なさ方に言う彼に、こちらこそ、と返す。
てゆかお父様て。
なんか早い気が、色々と。
話す内容が見つからなかったので、取り敢えず目の前の料理を黙々と食べた。
「少し、散歩でもしませんか？」
料理も食べ終えて。
暫くお父さん達の会話に興じた後、佐野さんがそう言った。
特に断る理由もなかったので賛成して外に出る。
お店の近くの小さな公園に着いた。
舗装された道を進むと公園を一周出来るようになっているらしい。
気持ちいですねー、なんてありきたりな言葉を言うと笑顔でそうですね、と返ってきた。
「あの、柊さん」
ふいに佐野さんが足を止める。
何事かと思い、彼を見ると真剣な顔でこちらを見つめていた。
「柊さんは、好きな方はいらっしゃいますか」
ドクン、と心臓が大きく跳ねた。
好きな人、といわれて思い出すのは赤司くんの顔。
彼は私の返事を待たずに続けた。
「もしいないのなら、俺と結婚を前提に付き合っていただけないでしょうか」
『え、あの、』
私が言葉を返そうとした時、突然鳴り響く携帯の着信音。
驚いてディスプレイを見る。
ずっと待っていた相手から。
涙が出そうになった。
『赤司くん……ッ！！』
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にくじゃが(プロフ) - ののかさん» ありがとうございます〜(*^^*)作品出すの勇気いりますよね！分かります。私もこの作品出す時ドキドキしながら出しました笑どんなタイミングでもそう言っていただけるのは嬉しいです！ありがとうございます！！ (2015年9月23日 15時) (
レス) id: d85cedf14b (このIDを非表示/違反報告)
ののか - すごく面白いです！私も出したいけど出来たらこんな感じでいい話にしたいな〜なんてね！完結おめでとうございます！((今じゃあないけどね…笑 (2015年9月23日 14時) (レス) id: 36662ddfca (このIDを非表示/違反報告)
にくじゃが(プロフ) - Yoonaさん» ありがとうございます(T_T)お陰様で完結する事が出来ました！！読んでくださりありがとうございました！！ (2015年8月12日 20時) (レス) id: d85cedf14b (このIDを非表示/違反報告)
Yoona - 完結おめでとうございます(*´∀`*)おもしろかったです！ (2015年8月12日 17時) (レス) id: 9cb78d64a3 (このIDを非表示/違反報告)
にくじゃが(プロフ) - Raraさん» ありがとうごさい(*^^*)頑張ります！！ (2015年7月17日 20時) (レス) id: d85cedf14b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：にくじゃが | 作成日時：2015年5月6日 23時
