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12話 ページ13

寝室を掃除し終えたので1階に降りて薬研の元へ向かう。

『薬研、そっちはどう?』

薬「だいぶ片付いたぜ。」

『あとちょっだし残りは私がやるから、薬研は休んでて。』

薬「そうか?ならお言葉に甘えさせて貰うとするかな。」

私は残りを掃除し始めた。まぁ多少は埃も残るだろうがとりあえずはいいだろう。

『てか夜ご飯ってどうすんの?薬研達は今までどうしてた?』

薬「ここしばらくは食べてないな。」

『⋯⋯⋯ん?』

薬「ここしばらくは食べてない。」

『えっ、なんっ、え??付喪神ってお腹空かないの?』

薬「空かない事は無いが食べなくても死にはしないな。」

『こんのすけ、材料とかって。』

こ「政府より此方に贈られてますぞ!」

そう言われて送られてきていたであろう箱の中を覗いてみる。

『なにこれ( ᐛ)』

中身は大量のカップ麺と栄養剤。あと気持ち程度の野菜。
政府ってこんな幼稚な事する奴がいるの?え??

『殴り込みまでならセーフかな。』

こ「完璧にアウトですよ!!」

『とりあえず野菜とカップ麺は向こうに渡して⋯、栄養剤は私でいいや。あ、でも薬研の分は残しといて⋯。』

薬「それじゃあ大将が倒れちまうだろ。俺達は食わなくても生きてける。コレは大将が食ってくれ。」

『えー。でも⋯。』

薬「でもじゃない。それで大将が倒れたら俺が嫌なんだ。」

結局私は薬研に押し負けてカップ麺を食べる事に。とりあえずその日はカップ麺を食べて風呂に入って寝ることにした。

『じゃあ⋯。』

おやすみ、そう言おうとした時。

薬「大将。」

真剣な面持ちで薬研に話しかけられる。

薬「さっき断っちまった手前言いにくいんだが…、手入れ、頼んでいいか?」

『⋯もちろん。』

広間での言葉には少し傷ついたが、手入れをさせてくれるって事は少しは信頼してくれるって事…だよね?
それが嬉しくて思わず笑がこぼれた。

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作者名:シノン | 作成日時:2024年1月22日 12時

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