検索窓
今日:4 hit、昨日:8 hit、合計:201 hit

ページ14

仕事の愚痴を挟みつつも、最近のことについて話していた。この前スタッフと飯を食いに行ったこと、そこでのご飯が美味しかったこと、新しい仕事が不安なこと。

真の「相方との時間が欲しい」が如何に重要だったかを思い知る。
フェアビアンカはテレビでは半ば「イチャイチャ」を売りにはしているけど、実際はこんな感じで、落ち着いた関係を数年保っている。

だから、余計に真が春を売っているなんて考え難くて。真面目なこいつが、社長とみだらな関係に及ぶだろうか。

「ところでだけど、社長とよくメシ食う時は何の話してんの」

何の気なしに聞いてみた。
頻繁な呼び出しと約束の中、二人は何の話をしているかがそれとなく気になったからだ。

仕事の話なら俺も呼ぶはずだし、そうでなくても後々真から何かしらの報告があるだろう。でも彼から聞くのはいつも社長との約束があることだけで。

問いかけられた真はんふふ、と笑ってこちらを見た。

「なんだと思う?」

「はあ?わからないから聞いてんじゃん」

「そーじゃなくて、予想してみてよ。」

予想……?
仕事の話という候補はさっき消えた。そしたらプライベートな話?社長と真は結構仲が良いのだろうか。一応立場上、敬語は使い続けるけど。

そういえば真の趣味、あんまり知らなかったな。社長と一緒なのだろうか。

「趣味の話とか?」

「うん、まあそんな感じ。」

「真の趣味、なんだっけ。」

「今は舞台鑑賞。ミュージカルを見るのが好きなんだ。いつかは僕もやりたいな……」

「ん、いいじゃん。応援してるよ。」

「……フェアビアンカは?」

「えぇ……両立してけばいいじゃん。普通のアイドルグループだって、ソロ活動はやってくもんだろ。俺は特に予定ないけど……活動の場を広げるのはいい事じゃん。」

そう言うと、真は不服そうにアイスピックで氷を割った。んー、と唸りながらうつ伏せる。

「どうしたの、お前」

「……僕は、一緒にミュージカル出たいな。フェアビアンカとして活動したいんだ、ふたりで……」

「なら最初からそう言えよな。フェアビアンカは?じゃなくてさ。二人でいつか出ような、ミュージカル。」

うん……と小さく頷いた。
おかしいな、別に酒は弱いほうじゃなかったと思うけど。今日の真は甘えてくるような感じがする。

同い年なのに、昔から兄貴っぽかった真のそれに満更でもなく思いながら、真が握ったグラスにカチン、と自分のグラスを当てた。

・→←・



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (2 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1人がお気に入り
設定タグ:BL , オリジナル , オリジナル作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:Me | 作成日時:2021年9月23日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。