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神楽とそんな話をしていると、
「隣、いいか葵。」
「あ、トシ。どうぞ、」
食堂の昼食がのったおぼんを持って私に声をかけたのは幼馴染みの土方 十四郎。
彼とは小さい頃からの幼馴染みであり、大学に入った今でも話はするし仲はいい方だ。
すると、彼が来た直後に数人の女の子たちが来て
「十四郎くん、私達もこの辺の席で食べていい?」
「私達、十四郎くんと一緒にご飯食べたいなーって思ってて...」
トシに気がある女の子たちが声をかけるが、トシは完全にその子たちをスルーし食べ始める
「ねぇ、十四郎くん__」
またしても女の子が声をかけると、トシは箸を止めて
「...あ?うっせェんだよ、飯が不味くなる」
「(うわっ、トシ怖っ...)」
女の子たちに睨みをきかせ、そう言うトシは第三者の私から見てもこわい。女の子たちはビクついてどこかへと行ってしまった
「...トシ、もうちょっと優しくできないの?今のは怖いよ、うん」
「アレくらい言わないと効かねェんだよ...ったくよ、これだから女はめんどくせェし嫌いだ」
その言葉を聞いた瞬間、胸がチクリと痛んだ
...私は密かにであるが高校生の時、彼に恋心を抱いていた時期があった。けど彼は
『女は嫌いだ』
そんなことをよく言っていて、私は彼に想いを告げることはなかった。私はどちらかというと中学も高校も男勝りな性格であったためか、彼に嫌われることはなかった。
そして私は彼に嫌われたくないがために『女の子』でいることを捨てた
今は別に強い恋愛感情を彼に抱いているつもりはないが、
私が未だに『女の子』になろうとしないのは、まだ彼に対してなにか想うところがあるのかもしれない
「どうした、箸とまってるぞ葵。考え事か?」
「あ、ううん...なんでもない、」
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なゆ(プロフ) - めっちゃ面白い!更新頑張ってください!! (2019年8月26日 12時) (レス) id: af64f6a838 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シオン | 作成日時:2019年8月10日 23時