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彼女は自分の部屋へと俺を通す。服だけでなく全体的にぬれてしまったので、部屋の風呂を貸り彼女が用意してくれた服に着替える
「十四郎さん..なんだかすみません、私が不甲斐ないばかりに..」
目線を下にさげ、申し訳なさそうにそういう彼女。...コイツは何も悪くねェってのに、
「お前が謝る必要はねェよ、気にすんな。」
「...それより、聞きたいんだが..お前、俺と籍いれてんのは周りの奴等に言ってないのか?.....随分とお前の周りに男が寄ってた気がするが」
そう聞くと、彼女は何か言いにくそうにしながらも口を開いて
「すみません..母に言うな、と言われていて。...私と婚約したいがために、色々と貢いでくる人も多いんです。母は利用できるものはとことん利用していくたちなので..目の前の利益を手にいれるため、私が籍をいれてることは外部にもらしてないのかと..」
「おかげで未だに縁談の話も多く、対応に困ってるところです..先程の私の周りにいたと言う男たちも皆、婚約目当てです」
...つくづく最低だな、あの女。だが一つ、彼女の話で引っ掛かることがあった。
未だに縁談話をうけるということは、前々から彼女には多くのそういった話があったはずだ。色んな奴から求婚されてる可能性だってある
...それなのに、なぜ彼女は俺を選んだ?__いや、彼女というよりは彼女の母親か...彼女が言うように、結婚することは彼女の母親にとって都合が悪いはずだ
けど、彼女の母親は俺との結婚を了承した。どういった意図があるかは知らねェが、何か裏があるような気がしてならない
「十四郎さん、私はまだ挨拶回りの方が終わってないので、会場に戻ります。...十四郎さんはここで休んでいてもいいので、」
そういって彼女は微笑み、部屋を出ていった
何となく彼女の部屋の中を見渡してると、ある写真立てが目に留まった。..そこに写るのは幼い少女とその少女によく似た顔立ちをした女が。
恐らくそれは彼女と彼女の元の母親だろうか..、写真の中の彼女はとても幸せそうに笑っていた
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aoo - 面白かったです。私も小説投稿してるから参考にしよーっと。完結お疲れ様でした。 (2020年3月1日 14時) (レス) id: f91ea9aee4 (このIDを非表示/違反報告)
巴 - もどかしいと言うかストイックと言うか、そんな所が土方さんらしいですね。 (2019年7月21日 23時) (レス) id: 5637175f26 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シオン | 作成日時:2019年6月8日 22時