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30-3: ページ45

ジャミ「何度言っても駄目だ」
カリム「え〜!でもオンボロ寮はみんなで行くってAが……」
ジャミ「くそっ、Aか…!」

二年の教室には、ジャミルとカリムの言い合いという見慣れた光景が広がっていた。

『……ん。なになに、僕の話?』
ジャミ「ややこしい話にはいつもお前がいるな、A」
『それが僕の仕事だからね』
ジャミ「難儀だな」

僕の発言はいたって真剣だったが、戯言だと受け取ったジャミルに辛辣な返しをされた。

ジャミ「Aみたいなのがいるから、カリムが駄々をこねるんだ」
『え、僕の所為?』
ジャミ「タダで遊園地なんて、そんなうまい話がある訳ないだろ!」

どうやらプレイフルランドへの説得に巻き込まれたようだ。

カリム「だって、幻の遊園地だぜ!?楽しそうじゃないか。リリアとケイトもそう思うだろ?」
ケイト「遊びたい気持ちは山々なんだけど……」
リリア「ジャミルが嫌がるのももっともじゃのう」
ジャミ「ご理解いただけて感謝しますよ、先輩方」

そういうジャミルの目はこちらを見ていた。“お前は違うがな”というのがビシビシと伝わってくる。

『ま。カリムの参加はジャミルに任せるけどさ、偶に学校を休んだくらいでバチは当たらないって』
ジャミ「Aの場合は偶にじゃなく定期的に、だろ」

ジャミルの言葉を背にヒラヒラと手を振って教室を後にする。これ以上いると巻き添えを喰らう予感がしたから。

カリム「あっ、待ってくれA〜!」

カリムの叫び声は聞き流し、夜の学校からこっそり出ていく方法を考える。

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作者名:いす | 作成日時:2022年2月7日 18時

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