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鏡の間には廊下から忙しそうな足音が聞こえてくる。
ユウ「すみません、先輩方!ギリギリになってしまって!」
グリム「Aが遅かったんだゾ!」
『ごめんねっ、ジャミルー!急だったからさー!』
大きめの荷物と箒を持って駆けてくる二人と一匹のオンボロ寮生。
トレイ「箒でみんな来たのか」
ケイト「明らか定員オーバーだけどね。そこは、流石Aちゃんってことで ♪ 」
フラフラと空を舞う箒を思い浮かべて思わず笑う二人。
カリム「大丈夫だぞ!ユウ、A!今集まったところだからさ」
ジャミ「……だそうだ。それに遅れないように早めの集合時間にしてある」
ユウ「流石です、ジャミル先輩!」
ジャミルに関心するユウの隣にマレウスが近付く。
マレウ「急だったが、よく来たな」
『あ。誘ってくれてありがと、マレウス。リリアの分も楽しむね!』
マレウ「ああ。Aが楽しめばリリアも喜ぶだろう」
『お土産あげなきゃだね〜』
和やかな二人の会話を遠巻きに三人が見守る。
ジャミ「なぜあの二人は仲良しなんですか?」
ケイト「俺に聞かれてもわかんないな〜。でもマレウスくんに気兼ねなく喋れる人材だし、いいんじゃない?」
トレイ「でも確かに、ユウがマレウスのこと知らないのは分かるが、Aは……世間知らずとかか?」
訝しげに見るジャミルに、笑顔で見守るケイトとトレイ。あとのカリムとユウ、グリムは熱砂の国について話に花をさかせている。
ジャミ「では、そろそろ行きましょうか」
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作者名:いす | 作成日時:2022年2月7日 18時