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25-2: ページ26

鏡の間には廊下から忙しそうな足音が聞こえてくる。

ユウ「すみません、先輩方!ギリギリになってしまって!」
グリム「Aが遅かったんだゾ!」
『ごめんねっ、ジャミルー!急だったからさー!』

大きめの荷物と箒を持って駆けてくる二人と一匹のオンボロ寮生。

トレイ「箒でみんな来たのか」
ケイト「明らか定員オーバーだけどね。そこは、流石Aちゃんってことで ♪ 」

フラフラと空を舞う箒を思い浮かべて思わず笑う二人。

カリム「大丈夫だぞ!ユウ、A!今集まったところだからさ」
ジャミ「……だそうだ。それに遅れないように早めの集合時間にしてある」
ユウ「流石です、ジャミル先輩!」

ジャミルに関心するユウの隣にマレウスが近付く。

マレウ「急だったが、よく来たな」
『あ。誘ってくれてありがと、マレウス。リリアの分も楽しむね!』
マレウ「ああ。Aが楽しめばリリアも喜ぶだろう」
『お土産あげなきゃだね〜』

和やかな二人の会話を遠巻きに三人が見守る。

ジャミ「なぜあの二人は仲良しなんですか?」
ケイト「俺に聞かれてもわかんないな〜。でもマレウスくんに気兼ねなく喋れる人材だし、いいんじゃない?」
トレイ「でも確かに、ユウがマレウスのこと知らないのは分かるが、Aは……世間知らずとかか?」

訝しげに見るジャミルに、笑顔で見守るケイトとトレイ。あとのカリムとユウ、グリムは熱砂の国について話に花をさかせている。

ジャミ「では、そろそろ行きましょうか」

25-3:遠い国のスリ→←25-1:遠い国のお話



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作者名:いす | 作成日時:2022年2月7日 18時

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