#128 それでも私は彼が愛しい ページ28
「グリンゴッツに泥棒が入ったとき、ハリーがその部屋には“小包”が入っていて、それはハグリットが回収してたって言ってた。その部屋で何かが守られているなら、間違いなくそれだろ?」
「うーん…そうだね。一理ある」
「トロール事件があったとき、わたし、スネイプ先生の足に引っ掻き傷がついていたのに気付いたの。丁度、あの大きな犬に引っ掻かれたみたいな。」
「……つまり…スネイプ先生は、部屋の中で守られたその何かを盗もうとしていると?」
「今日のクィディッチの時だって、ハリーの箒に呪文を掛けていたのを見たわ!」
………嫌われてるなあ、セブルス…。いや、まあ、隠れ家内でどうであれ、外では相変わらずの振る舞いをしているから無理ないんだけど…
悪人と疑われる程か…私の可愛い愛弟子の評価が低すぎて寂しい。
「…残念だけれど、その結論は早計である、と私も言わざるをえないな」
「なんでだよ、君だってスネイプのこと嫌いなんだろ?だったら、」
「不得意であることと彼が悪人であることは、決してイコールとしては結びつかないよ」
「……聞かせて、A。貴方がそう思っているということは、根拠があるんでしょう?」
お、ハーマイオニーが私の話を聞く気でいてくれてる。ロンは不服そうにしていたけれど、私は有り難く根拠を述べた。
そもそも私をあそこまで受け入れてくれた彼がそんな愚かな真似をするわけもないんだけれど。
「浅はかすぎるんだよ」
「…浅はか?」
「トロール事件に乗じて、誰かがその何かを盗もうとしていたのは確かだと思う。目的もなくトロール事件を起こすわけもない。ただ…その計画にはあまりにも不安要素が多すぎる。その何かを守っている中普段起こらない事件が起こってその線を考えない先生が、はたして誰も居ないで済むだろうか?」
「、……それは…」
「まして。あのスネイプ先生が、そんな確実性に欠けた計画を実行に移すと思うか?あの人は慎重な人だ」
「…んん……」
私に指摘されて気付いたのか、ロンが口を噤む。
ハーマイオニーは少し沈黙して考え込み、それから改めて私に目を向けてくる。
「…スネイプ先生の足の傷は?」
「恐らくは、スネイプ先生こそが
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葵 - とっても面白いです!更新される日を待ってます! (2023年5月5日 22時) (レス) @page35 id: 1e793d26dd (このIDを非表示/違反報告)
レイ - めちゃくちゃ好きです!応援しています! (2023年4月19日 15時) (レス) @page35 id: 58fc769308 (このIDを非表示/違反報告)
天鬼雷壊(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです。プライベートのことなどでお忙しいとも思いますが、更新するのを楽しみに待っています! (2023年4月6日 18時) (レス) @page35 id: e391e268f1 (このIDを非表示/違反報告)
Aoiro - 失礼します!とても面白く読ませていただきました。続きが気になります。更新してくださる事を心より楽しみにしています! (2022年9月20日 23時) (レス) @page35 id: 5f332b141b (このIDを非表示/違反報告)
サクラ(プロフ) - 失礼します、コメントのいる方が仰っているようにとっても面白い作品で魅力されました。これは一読者としての意見と我儘ですが、更新してくださる日が来る事を心の底から楽しにみ待っています! (2021年12月29日 3時) (レス) @page35 id: 2224f94912 (このIDを非表示/違反報告)
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