最古の魔法使い 3rd。

#119 良し悪しの結論の落としどこ ページ19

「……ね、兄さん、僕は？」

「んﾞっ……お前もそう言い出すんじゃないかと思ったよぉ」


私としては咎める親も…いないし、本人が彫りたいってんなら彫ってもいいけど…ハリーのその身体は、半分はリリーの血を引いてるからなあ。見目は思い切りジェームズ似だけど…。

セブルスがどう思うかっていうのも懸念材料のひとつだけど…あとは、ヴォルデモートを弾いたというリリーの加護がどこまで及んでいるか。いや、まあ肌の表面に彫るだけだから命の危険なんてそんなもんないんだけど…。そうなるとセブルスが何て言うか…てか、アルバスもハリーの保護者みたいなとこあるし…。


「………セブルスとアルバスを説得できたらな」

「えっ」

「勝手に彫って二人に軽蔑されるのは私の精神的ダメージがでかい」


私結構二人に寄っかかってるとこあるから。今更そういうので嫌われるのは、ちょっと。しんどい。

私の表情から諸々を察したのか、ハリーは不満も漏らさずに頷いてくれた。


「……別に、構わないのでは？」

「へっ？…でも、お前」

「得体の知れない輩が傷を付けるのとは違う。……それに、貴方が施す刺青だ。ただの(・・・)刺青ではないのでしょう？」

「 えあ、ま、まあ…それなりの効果は、付けるつもりだけど」

「それなら彼らの親も納得するのでは？それこそ──」


気まぐれな“最古の魔法使い”が、まじないに入れてくれたのだ、とでも。

セブルスのその発想に、私はぽかんと口を開いた。…敢えて、私とそれをれっきとした別物だとして。私ではなく、“最古の魔法使い”が入れたものだとする。


「……その発想はなかった」

「でしょうな。」

「そうか…A・ダンブルドアが彼らの師としていたとしても、刺青とそれを必ずしもイコールにする必要はないのか。あー…あー。やだなあやっぱ私歳とって頭固くなってるなあ」

「それだけ柔らかければ十分だろうよ。私達が付け入る隙が無くなってしまう」

「いやまあそれはそれでそうなんだけど…」


はー、恥ずかしい。変なとこにこだわってた。私は柔軟性を欠いていた。まあ、でも、その度に愛弟子が教えてくれるって言うなら、それはそれで良いのかなあ。

恥ずかしー、と誤魔化すように頭を掻けば、アルバスは可笑しげに笑っていた。


「…でも、ナルシッサとモリーがそれで納得するかな？」

「ナルシッサはドラコを溺愛しているし、モリーは貴方を尊敬している。護るものと知れば、多少融通が利くだろう」

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