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#101 スニッチに懐かれる能力(?) ページ1

ハリーがシーカーに選ばれ、初のクィディッチがあと数日に迫る。ハリーとフレッドとジョージは追い込みを掛けるために私との稽古を休んでいた。

そんな彼らの勇姿でも見学しに行こうかと思っていたんだけれど、結果として、私は彼らの練習の邪魔をしていた。


「凄いな…スニッチに懐かれる生徒なんて初めて見た」

「ごめん。グリフィンドールのクィディッチの練習を見学しに来ただけなんだけど」

「いや、仕方ないさ。誰も想像できなかったことだろうしね」


スニッチが私の傍から離れない、ひゅんひゅん周囲を飛び回って落ち着かない。つい鬱陶しくて飛び回るスニッチをバシッと掴んで羽音を黙らせた。スニッチそのものは嫌いじゃないけど流石にうるさい。

握った手を開けばスニッチは手のひらの上でふわふわと羽を揺らして大人しくしている。


「こら。彼らは真面目に練習に取り組んでいるんだ、お前もきちんと付き合ってやりなさい。」


お前がそれじゃ練習が練習にならないだろう、とメッとお説教をひとつ。そうするとふよふよしていた羽がへたれ、見たところ私にお説教されて落ち込んでいるようだった。

…勢いで説教したけど、スニッチって私の言ってること分かるもんなの?


「……スニッチに説教した生徒も初めてだ」

「私も初めてスニッチに説教した。」


グリフィンドールの五年生であるオリバー・ウッドは、私の返答に可笑しげに笑う。

向こうではスニッチを待っている私の愛弟子を含めたクィディッチチームがこちらを見ていて、私はスニッチを少し高く上げて声を掛ける。


「そら、行っておいで。今度はきちんと付き合ってあげるんだよ?」


スニッチは再び羽を羽ばたかせ、私が言うようにちゃんとグリフィンドールの練習に戻っていった。フレッドとジョージが私に片手を挙げてきて、ハリーは小さく手を振ってくる。私が彼らに手を振り返せば、三人は嬉しそうに笑って他のメンバーと一緒に練習に戻っていった。


「…私はスリザリンで敵チームなんだけれど。見てっても、いい?」

「もちろん。君に限ってはスリザリンがどうとか、そんなの気にしてないんだろう?」

「うん、まあ。ありがとう、先輩」

「オリバーでいい。君のおかげで最近フレッドとジョージが大人しくしてるからな、グリフィンドールとしても助かってるんだ」


おい、フレッド、ジョージ。お前ら私が入学する前一体どんな悪戯してたんだ。

…あいつら派手なの好きだし、多分結構減点されてたな。

#102 敵は近くにいる→



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- とっても面白いです!更新される日を待ってます! (2023年5月5日 22時) (レス) @page35 id: 1e793d26dd (このIDを非表示/違反報告)
レイ - めちゃくちゃ好きです!応援しています! (2023年4月19日 15時) (レス) @page35 id: 58fc769308 (このIDを非表示/違反報告)
天鬼雷壊(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです。プライベートのことなどでお忙しいとも思いますが、更新するのを楽しみに待っています! (2023年4月6日 18時) (レス) @page35 id: e391e268f1 (このIDを非表示/違反報告)
Aoiro - 失礼します!とても面白く読ませていただきました。続きが気になります。更新してくださる事を心より楽しみにしています! (2022年9月20日 23時) (レス) @page35 id: 5f332b141b (このIDを非表示/違反報告)
サクラ(プロフ) - 失礼します、コメントのいる方が仰っているようにとっても面白い作品で魅力されました。これは一読者としての意見と我儘ですが、更新してくださる日が来る事を心の底から楽しにみ待っています! (2021年12月29日 3時) (レス) @page35 id: 2224f94912 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:エトーカ | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2018年4月20日 20時

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