21. オトシモノ ページ22
エルヴィンside
私は今、
自室でひとり一枚の紙を眺めている。
これは
昼間に取材のためここを訪れていた
ベルク新聞社の若手記者
ピュレが落としていった物だ。
彼は先輩であるロイの隣で
私の言葉を必死に書き留めていた。
その時にこの一枚だけ
手帳から落ちてしまったのだろう。
【調査兵団のリヴァイ兵士長と
その副官であるAを見かけたのは、
取材を終えて新聞社へ戻る道中。】
この一文は
私の興味をそそるには十分だった。
【私服姿で親しげに歩く２人。
以前見た時はもっと
上司と部下という感じだったような…
今は非番だからだろうか。
もしかしてあの２人は
そういう関係にあるのだろうか。
２人の親しげな様子は
私の記者魂に火を付けた。】
ピュレには申し訳ないと思いながらも、
興味深い内容に
私は先を読み進めてしまう。
【川辺の石段に腰掛ける２人。
リヴァイ兵長の手がAの手に触れた。
やはり私の予想は
的中したということなのか。
赤く染まった空を見上げる２人はまるで、
この穏やかなひと時を惜しむようだ。
しかし、
普通なら微笑ましいはずのこの光景は
私の心を切なくさせた。
常に死の危険に晒されながら
戦う彼らにとって、
この何気無い時間は
貴重なのかもしれない。】
ピュレが書き記したのはこれで全てだ。
私は紙から視線を外し
窓の外に目をやった。
そこには、
あの日２人が見ていた空と同じ
赤い空が広がっている。
２人がようやく
素直になってくれたことに
安心している自分がいた。
だがしかし、
２人の関係がどうであろうと
私は彼らに
“戦え”と言い続けるだろう。
そして彼らを戦場へと連れて行く。
今までのようにこれからも
私は屍の道を作り続けるのだ。
たとえこの身が
悪魔に成り果てようとも…
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Ester(プロフ) - ゆきゃんさん» そう言ってもらえると嬉しいです！今後の展開で迷っているところがあるのでもうしばらくお待ちください！ (2021年2月23日 18時) (
レス) id: d3fbc3f836 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきゃん - Esterさんが書くウォールマリア奪還読みたいです！！ (2021年2月21日 15時) (レス) id: 5c0b7ba815 (このIDを非表示/違反報告)
Ester(プロフ) - mさん» ここまで読んで頂きありがとうございます！私もただただ兵長の幸せを願っております！！ (2020年12月10日 22時) (レス) id: e396f20142 (このIDを非表示/違反報告)
m - シリーズ4お疲れ様でした！！読むたびにキュンキュンしてます(≧∀≦)どうか兵長が幸せになれますよーに！！ (2020年12月8日 17時) (レス) id: d2d16a9b38 (このIDを非表示/違反報告)
Ester(プロフ) - sachiさん» 幸せになって欲しいですよね。速度は遅いですが更新頑張ります！ (2020年10月5日 0時) (レス) id: e396f20142 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Ester | 作成日時：2020年5月8日 17時
