Knightsの合同練習 ページ9
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Knightsのライブが行われる京都の会場。司が着いた頃には、Knightsの合同練習が始まっていた。
「かさくん?もう、練習始めてるんだから、早くしてくれる〜?」
泉のご機嫌斜めな声に、司は肩を震わせる。
「はい!すぐにでも!」
司はユニット衣装に早々、着替える。
部屋の奥の方では、凛月とあんずが何か喋っている。
「あんず〜膝枕して〜♪」
「凛月くん!今はダンスの練習中ですよ」
どうやら、真面目にしない凛月に対して、一喝入れていたらしい。
「別に良いじゃん、あんず」
凛月は頬を膨らませて、子供のように拗ねている。
対する、あんずはバインダーとボールペンを持って、ユニット衣装に着替え終わった司の元に走る。
「司くん、ここの演出はこれで良かったかな?」
髪が崩れていることを気にせず、あんずは笑顔で司に話しかける。
「お姉さま♪司が想像していたものとcinderella fitしています」
司はやった!と心からの笑みを浮かべる。その様子だけ見ると、子供のようだ。
「それじゃあ、みんなぁ?練習始めるよぉ」
泉のその一言で、Knightsの面々が一列に並ぶ。
…
LIVEで披露する曲の中でも、難しい振り付けの多い、Fight for Judgeなどは、何度も練習を重ねた。
そして、今回は新曲も披露する。
新曲といっても、8月に発表されたばかりの夏曲、Coruscate Brezzeのことだ。
そのために、あんずも何回も衣装を組み直し、縫い直しを重ねた。それから、もっと夏らしくなるよう、最低限で露出を増やすこともした。
「やっぱ、これ薄すぎないか〜?」
レオは苦笑いで服を掴む。
「何言ってるのよォ。折角、あんずちゃんが作ってくれたんだから、ちゃんと文句言わず着るのよォ♪」
手鏡を持ちながら、櫛で髪を整える嵐。そんな嵐が、あんずのことを気にかけながら、レオを宥める。
「別に着たくないとは言ってないからな!ナル!」
「あら、それはごめんなさいねェ」
____とうとう、Knightsがステージに出る時間がやって来た。
「さあ、行きましょう!誇り高き騎士の名の下に!責務を全うして!!」
大きい声を上げながらも、ユニットメンバー全員の目を、司は見つめる。
司が、レオから受け継いだ、王さまという座と、騎士の印である剣。
司はステージのど真ん中で、その剣を天に抱える。
その時、司の目に見えたのは______
座席にて、【司LOVE♡】と書かれたうちわを持ったAの姿だった。
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作者名:梓詩織 | 作成日時:2022年10月12日 21時