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じゅういち。 ページ12

Aside


窓から見えた小鳥は

今日も楽しそうなのに

一人ぼっちの病室は静かだった。


でも寂しくはなかった。


病院に、しゅうやが

毎日来てくれたから。


「Aちゃん…!遅くなってごめん!」


そんな声と共にドアが開くと、

大好きなしゅうやが立っていた。


『ううん。全然大丈夫。』


よかった。

なんて言いながらしゅうやは

ベッドの隣に置かれた椅子に座った。


『毎日ごめんね。』

「いいんだよ?好きで来てるんだから。」


しゅうやは優しい言葉をかけてくれるけど

わたしのせいで

わたしが病気だから

迷惑をかけているのは事実で。


『今日は何のお話する…?』

だけど

やっぱり心配はかけたくない。


今出来る、精一杯の笑顔で笑って言った。


「Aちゃん。無理、しなくていいんだよ?」


しゅうやは

いつもと違う、低いトーンで

呟いた。


『無理なんてしてないよ?』

「嘘」

しゅうやの顔から笑顔は消えていて

少しビクッとしてしまう。


『わたしは別に、大丈夫だから。』

それが嘘だって

認めたくないだけかもしれない。

だけど

それでも


「悲しいときは泣いてもいいんだからさ」

『悲しくなんて……』


言葉では強がったって

ほんとはわたしだって辛いし悲しかった。


こらえていた涙が溢れだすのは一瞬で。


そんな、どうしようもないわたしを

しゅうやは優しく微笑みながら抱きしめてくれた。


『死ぬのは、怖い……

しゅうやと、お別れしたくない……

ずっと一緒にいたかった』


一度溢れた涙は

止まることを知らなくて

どんどん頬を伝っては

零れ落ちていった。

じゅうに。→←じゅう。


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黒猫RIRI(プロフ) - うさたまさん» コメントありがとうございます。切ないお話、なかなか難しくって…(笑)そう言って頂けて嬉しいです…!未だ未だ未熟ですが、涙をながしてくださったなんて励みになります。頑張ります! (2017年10月17日 22時) (レス) id: 4f152e2e81 (このIDを非表示/違反報告)
うさたま - う、うぅ。キーボードを打つ手が涙で見えない・・・ 切ないとはこういうことだなと、涙をながしました。これからも頑張って下さい。 (2017年10月16日 19時) (レス) id: 216409e55b (このIDを非表示/違反報告)
黒猫RIRI - うりあんさん» ありがとうございます!切ない系の小説が書きたかったので、そう言って頂けて嬉しいです。私なんかの小説に泣いてくださったなんて…。頑張ります!励みになります! (2017年7月17日 12時) (レス) id: 4f152e2e81 (このIDを非表示/違反報告)
うりあん - うわぁぁぁぁぁぁん!って大声で泣きかけた。(実際泣いたけど……。)こんなに泣ける小説は久しぶりにみた。これからも頑張ってください!応援してますから! (2017年7月15日 0時) (レス) id: edb7cb8e42 (このIDを非表示/違反報告)
黒猫RIRI - あんずさん» 私なんかの小説に泣いてくださってありがとうございます!まだまだ未熟ですがこれからも頑張ります!此方こそ、読んで頂いてありがとうございました。「赤い金魚」と「信じて、キスして、抱きしめて?」は今後読ませてもらい参考にさせて頂きます (2017年5月29日 21時) (レス) id: 4f152e2e81 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:黒猫RIRI | 作成日時:2017年2月25日 21時

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