第二十一話 ページ21
「その言葉……俺を帰さないと捉えますがよろしいですか?」
そう問いかけてきたリクオに俺は携帯している刀に手を伸ばしながら言い放つ
「なんとでもとりやがれ。だがこっちは何としてもテメェを女狐の元に帰すわけにゃーいかねえんだよ」
「そうですか、では力づくでも通していただきましょう」
俺はそれを聞くとほぼ同時にリクオの身体を突き飛ばし刀を抜いた
途端、刀に衝撃が走る
その攻撃の重さに半ば吹っ飛ばされるように外に弾き出された
「鯉伴さん!!」
「若菜!!少し待っていてくれよ!!すぐにこいつをぶっとばして大人しくさせるからよっ!!氷麗ちゃん!!若菜を……っく!!」
ギィンと再び下から襲いかかってきた蒼い閃光を受け止めて横に流した
あれだけ重い攻撃だ
体制を崩せば隙が生まれるだろうと踏んだ俺の予想は呆気なく散ることになる
体制を崩したまま、後ろから腕を俺の首に回し締め上げてきた
「か……はっ」
ぎりぎりと首が締められ気道官が塞がれる
呼吸ができない中、リクオは後ろから憎たらしいほど淡々な声で俺に話しかけてきた
「一つお訊きします、先程女狐と仰いましたね?。どうして女狐と?」
締め上げてる状態で答えろってんのかこの馬鹿息子が
心の中で突っ込みを加えながら、俺は身体を縮めてそのまま首に回されている手を掴むとありったけの力で前方に投げ飛ばす
そしてすぐに足元に落とした刀を拾い追撃をしかける
少し戦ってわかった
無傷で捕らえることは不可能だと
剣術と妖怪としての力は俺の方が格段に上だ
だが、その差を埋める体術があいつには備わってやがる
大方体型に見合わない力も体術の応用だろう
それに追加し、あいつは俺を殺すことに迷いがない
総合すると俺のほうが少しだけ不利なのは認めざるをえない
皮肉なことだと思う
傷つけたくないと言っておきながらこの場に、俺の手元に留めておきたいがためにこうして剣を交えている
「所詮は俺の我が儘なのかねえ……」
「質問に答えてください」
そう言って横から首に向かって延びてきた攻撃を鏡花水月でかわし今度は俺が後ろから腕を掴んで地に押し倒した
「質問の答えはな、テメェの携帯を調べさせてもらったからだ。時期に奴等の居場所も割り出せる」
「それ、プライバシー侵害ですよ。勝手に人の携帯を覗かないでください。見られたくない秘密の一つや二つはあるものです」
「秘密は暴くもんだよ、紅葉君」
こんな会話を続けながらも力の拮抗は続く
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緑雪 - ああ、私は見ました!!なんかあんま変わんない…? (2014年10月20日 21時) (レス) id: a7b78fc1d7 (このIDを非表示/違反報告)
レイニア(プロフ) - 桜さん» でも原作の改編さを改めて思い知らされそう…… (2014年10月5日 19時) (レス) id: 7ee5a4408b (このIDを非表示/違反報告)
レイニア(プロフ) - 桜さん» マジ!?よし見る!! (2014年10月5日 19時) (レス) id: 7ee5a4408b (このIDを非表示/違反報告)
桜 - アニマックスで6:30〜と20:00〜で千年魔京やってます。見れる方は是非見てください! (2014年10月5日 18時) (レス) id: 60fcf56535 (このIDを非表示/違反報告)
レイニア(プロフ) - 桜さん» そこは敢えて肯定するんだよ(*^▽^*)ニッコリ (2014年10月4日 9時) (レス) id: 7ee5a4408b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:レイニア | 作成日時:2014年4月21日 23時