うつりゆくおもい『ぬら孫 ifストーリー』

第三話 ページ3

ペンダントに戻った得物を首に掛け俺は足元に転がる死体を目に止める

こいつらを追っているうちにだいぶ遠くまで来てしまった

結果を報告するためにポケットから携帯を出してメールを打つ

内通者を始末したこと、帰るのに時間がかかることを書くと携帯をしまう

足元に転がる死体はそのままに俺はこの場を去った

居る理由もない

さっさと銭湯で血の臭いを洗い流して電車を使って帰ろう

俺の居場所へ

たとえそこが俺を人形としてしか扱わない奴がいるとしても嫌だとは思わない

所詮俺なんてその程度の存在に過ぎない

命令されればそれに従うだけの存在

そして俺はそれに疑問を感じることはないから嫌とも思わない

人形はただ操り師に従って動いていればいい

三十分ぐらい歩くと街が見えた

そう街から離れていたわけでもないらしい

一度閉まった携帯を再び取り出してマップアプリを開く

それに付いている検索モードで最寄りの銭湯を探す

すぐ見つかった

『浮世絵温泉』、徒歩十五分

名前からして小さそうな銭湯だがお湯さえ浴びれればそれでいい

イヤホンを片耳だけ付けそこに目的地を設定し案内を開始させる

それに従って俺は歩き始めた

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